あらゆる形でヒットを量産したイチロー氏(C)Getty Images 日本球界が生んだ天才バットマンの伝説的なパフォーマ…

あらゆる形でヒットを量産したイチロー氏(C)Getty Images
日本球界が生んだ天才バットマンの伝説的なパフォーマンスがふたたび脚光を浴びている。日米通算4367安打を記録したイチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)の米野球殿堂入りを記念し、あらゆるメディアが偉才の最盛期をクローズアップした。
「イチローは常に守備の布陣を変えさせる選手だった」
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そう語ったのは、MLB公式ネット局『MLB Network』の番組「MLB Central」の司会を務めるマーク・デローサ氏だ。イチロー氏と時を同じくして2000年代前半にメジャーリーグでキャリアを積み重ねた名手は、自身がマリナーズと同地区のレンジャーズに所属した際の思い出を振り返り、チーム内で話し合われた“イチロー対策”を明かした。
「彼を相手にどう守備を配置するかはよく話し合った。自分はサードを守っていたから、バントを警戒して前に出て守っていた。だって普通の深さで守っていたら、平凡なゴロでも一塁への送球が間に合わないんだ。前に出て、守った上で、即送球しなきゃダメだった」
平凡なゴロですら内野安打へと変えてしまうイチロー氏の桁外れの脚力と卓越したバットコントロール。実際、歴代最多となる年間262安打を放った2004年も内野安打の数は54と、かなりの数を叩き出している。そんな稀代の安打製造機の恐ろしさを強調したデローサ氏は、「彼はまさにアイコンと言える存在だった」と断言。そして、NPBからの挑戦がいかに稀有であるかを訴えた。
「とにかく知ってほしいのは、イチローがメジャーにやってきたのが、27歳だったということだ。たとえば、デレク・ジーターが27歳でメジャーデビューをしていたら、3465本を数えたヒット数は2200本くらいで終わっていたかもしれない。だからこそ、イチローは別格なんだ。打撃、守備、走塁の全てを持っていた。細身だから分からないかもしれないけど、実際のところはパワーもあって、ホームランも狙って打てた。けど、あえてそうしなかった。彼は別の方法でチームに貢献することを選んでいた」
MLB通算でも3089安打を記録したイチロー氏。その功績は今なお色褪せず、米球界内で高く評価されている。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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