二刀流を継続する中で大谷とって懸念材料となるのは“負担”だ(C)Getty Images 投打ともにずば抜けた成績を残す…

二刀流を継続する中で大谷とって懸念材料となるのは“負担”だ(C)Getty Images
投打ともにずば抜けた成績を残すからこそ、大谷翔平(ドジャース)はありとあらゆる議論の的となる。
とりわけファンやメディアでしきりに語られるのは、その起用法だ。今年6月に投手として実戦復帰を果たした大谷は、投げてはスモールサンプルながら6登板(12イニング)を消化して、防御率1.50、WHIP1.00のハイアベレージをマーク。打ってもナショナル・リーグトップの37本塁打を打ちながら、OPS.994、長打率.617の好成績を叩き出している。
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打っても、投げても、高水準を叩き出しているとはいえ、現状以上のパフォーマンスを維持するためには、負担軽減が鍵となる。そうした中でしきりに論じられているのは、大谷の中継ぎ起用だ。ドジャースの地元紙『Los Angeles Times』のコラムニストであるビル・プラシュケ氏は、「オオタニをリリーフ登板できないのか?」と指摘したこともある。
ただ、中継ぎに行くことで負担が軽減できるわけではない。むしろ、試合中にブルペンでの投球準備を余儀なくされ、増加する可能性の方が高い。
ゆえに「やはり先発投手こそ最適解」という意見は日増しに強まっている。米ポッドキャスト番組『The Dan Patrick Show』のホストを務める元スポーツキャスターのダン・パトリック氏は、「今、ドジャースが設けているあらゆる制限は、すべてポストシーズンを見据えたものだ」と力説。「クローザーで使うべきと言う声もあるが、それは難しい。そもそも、どこで準備させるんだ?」と異論を唱えている。
「どこで肩を作らせる? それに登板機会がなかったらどうする? クローザーをやっている投手たちに聞けば分かるが、彼らは試合中に何度も準備をしているって言うよ。丁寧に肩を作っては、座って、また肩を作るという繰り返しだ。それをオオタニにやらせるわけにはいかない。野球関係者で安易に『クローザーをやらせた方が良い』という人もいるが、実際は簡単じゃない」
中継ぎへの配置転換の難しさをこんこんと論じるパトリック氏は、こうも続けている。
「DHとして出ている彼に『今のうちに肩を作れ』とは言えるかもしれない。だから成立はするかもしれないが、私は今のやり方が彼に合っていると思う。だから、負担を与えない球団の方針は素晴らしいよ」
今後も大谷の起用法を語る議論はおそらく尽きない。そうした娯楽性を生み出すのも、二刀流スターの凄みの一つと言えるかもしれない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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