＜2025年全国高校野球選手権埼玉大会：昌平1x-0浦和実＞◇25日◇準決勝◇県営大宮球場 変則左腕・石戸 颯汰（3年）…
＜2025年全国高校野球選手権埼玉大会：昌平1x-0浦和実＞◇25日◇準決勝◇県営大宮球場
変則左腕・石戸 颯汰（3年）擁するセンバツベスト4・浦和実 vs プロ注目・櫻井 ユウヤ（3年）擁する昨夏の県準優勝校・昌平との一戦。
先発は前の試合に続き窪田 竣介（3年）、浦和実はエース石戸が登板し試合が始まる。
この試合、何と言っても注目は主砲・櫻井vs浦和実・石戸の対決だ。櫻井は石戸の印象についてこう語る。
「1打席目のファーストストライクを見た時にボールが来るまでが長いなって。何だこれって初めての感覚。2段モーションのレベルMAXみたいな感じで足は無視して、球の出所が見にくいのでリリースに集中していました」
1打席目で場外へ消える大ファールを放つも、結局ショートゴロに倒れると、2打席目も三振。2打席目までは石戸に軍配が上がっていた。
櫻井同様に5試合で61安打50得点と強打の昌平打線はこの日、石戸に苦しんだ。「映像などを見て対策はしてきたんですが良い投手でした」（岩崎監督）と、4回まで無安打。
一方、昌平・窪田も前回とは別人のような投球を披露。「疲れはあったと思いますが力任せにならずちゃんと打者を見ながら投球をしてくれた」と、6回2死まで粘り強い浦和実打線を3安打2四球5奪三振無得点に抑え、岩崎監督も賛辞を送る。
試合は投手戦となる。
両校無得点という状況で「窪田はこれまでの投球数が嵩んでいたことと、前の回から悪いボールが増えてきたので代えた。佐藤佑は練習試合でも後ろを任せる投手で2年生ですが制球が良く信頼しているので自信を持って」（岩崎監督）と、窪田を93球で降ろし、2番手・佐藤 佑輝（2年）へスイッチする。
佐藤佑は7回表、この回の先頭の工藤 蓮（3年）に四球を与えると8番・深谷 知希（3年）にも右前打を浴びるなど1死一、三塁のピンチを招くが、石戸の打球は左飛。さらに飛び出した三塁走者を封殺し併殺で切り抜ける。
すると、その後はやや昌平ペースとなる。7回あたりから疲労からか、やや制球が乱れ始める石戸に対し、櫻井は3打席目四球で出塁するなど徐々にチャンスを得る。
8回裏には2死から四球や田中 彪真（3年）の左前打などで2死一、二塁とするが、ショートの一発牽制で二塁走者が刺され無得点に終わる。
まさに1点勝負。両校無得点で迎えた9回裏、一死から櫻井vs石戸4度目の対決。櫻井は追い込まれるまで一発を狙っていたが、攻撃のタイムで岩崎監督から「振らずにしっかり出せばヒットが出るから」と、諭され我にかえる。
櫻井は軽打に切り替え中前打で出塁すると、続く大倉も左前打を放ち一死一、三塁と絶好のサヨナラ機を迎える。
6番・中島を迎え、岩崎監督「初球は打たせたが、空振りのスイングを見て変えた」と
セーフティースクイズに切り替える。中島が期待に応えきっちりと転がし執念のサヨナラ勝ち。昌平が2年連続の決勝へ駒を進めた。
花咲徳栄戦やこの日の浦和実戦はロースコアのゲーム。前の川越東戦ではハイスコアの打ち合い。昌平は様々な試合展開でもきっちりと対応する力がある。
「センバツを悔しい想いで見ていた」（岩崎監督）と言う昌平、決勝の相手は同地区のライバル叡明だ。「去年のようにはいかない。絶対勝つ」と、櫻井も今から闘志を燃やす。
