第107回全国高校野球選手権島根大会(島根県高校野球連盟、県教育委員会、朝日新聞社主催)は25日、松江市営野球場で決勝…
第107回全国高校野球選手権島根大会(島根県高校野球連盟、県教育委員会、朝日新聞社主催)は25日、松江市営野球場で決勝があり、開星が松江南を破り、8年ぶり11回目の優勝を決めた。開星は島根代表として8月5日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する選手権大会に出場する。
(25日、第107回全国高校野球選手権島根大会決勝 開星26―2松江南)
「めちゃくちゃ悔しい。優勝まで、あと一歩だった」。記録的大差での敗戦になったが、松江南のエース梶谷晴樹投手(3年)は無念さを隠さなかった。
初戦からすべての試合に登板。決勝進出の原動力になった。この日は、先発投手が4点を取られたところでマウンドに。だが後続を断ち切れずさらに4点を加えられた。
その後、右翼の守備についたが九回、再びマウンドに戻り、無得点に抑えた。「九回のピッチングが最初からできたら良かった。相手打線を警戒しすぎた」
背番号1をつけて以来、いつも不安があった。「課題はメンタル」だった。弱気になって四死球を出す。だが、仲間は「それがお前だから」と個性を認め、励ましてくれた。
「1試合ごとに精神的にすごく成長できたと思います」。今大会のベンチ入りメンバーは下級生の方が多い。「次は絶対、僕らを越えてくれる」。初の甲子園出場の夢は後輩に託した。(中川史)
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決勝終了後に行われた閉会式では、優勝した開星には深紅の優勝旗と盾が、準優勝の松江南には盾が贈られた。
島根県高校野球連盟の水津則義会長は閉会のあいさつで、開星の選手たちに向けて「8年ぶり11回目の優勝、本当におめでとう」と祝福。そして「島根県高野連の目標は島根に優勝旗を持ち帰ること」と述べ、甲子園での活躍に期待を寄せた。
準優勝の松江南の選手たちには「いまは悔しい気持ちがこみ上げてきていると思いますが、今日までのこの大会でのみなさんの戦いぶりは、本当に見事でした。松江南高校野球部の歴史を刻んだと思います」とたたえた。(堀田浩一)
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(25日、第107回全国高校野球選手権島根大会決勝 開星26―2松江南)
九回裏2死一塁。三塁側ファウルグラウンドに高く上がった飛球を見て、緊張の糸がほぐれた。
三塁手のグラブに飛球が収まると、マウンド上の開星の持田聖純選手(3年)は、集まってきた仲間たちと歓喜を爆発させた。
本職は遊撃手。準々決勝以降、抑えの切り札としてマウンドに立ってきた。この日は、圧倒的な大差がついた九回に登板し、優勝投手になった。
「打倒大社」を胸に今大会に臨んだ。
昨夏の大社との準決勝。遊撃手として先発出場したが、チームは1―7と完敗。「実力不足だった」。その後、甲子園に出場した大社は旋風を巻き起こした。
そして今大会の準決勝。相手は再び大社だった。
同点で迎えた六回裏、決勝本塁打を放った。「大社高校に勝つことだけ考えて1年間がんばってきた。同じ準決勝で勝たせてもらって本当によかった」
「打率7割、本塁打2本」。大会前に掲げた個人目標だったが、終わってみれば打率6割3分2厘、本塁打2本とほぼ有言実行の活躍。「さらにレベルアップし、(甲子園では)打率4割、チャンスに強いバッターでいたい」と、大舞台での飛躍を誓った。(堀田浩一)
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○開星・藤江来斗主将 ふだんから(練習や試合の)「入り」を大切にしていた結果が、今日の先制点などにつながった。甲子園で勝つためにずっとやってきた。甲子園ベスト8に入れるよう頑張る。開星旋風を巻き起こしていきたいと思う。
●松江南・古田圭佑主将 ふがいない結果に終わったが、決勝まで来られたのは良かった。初回の好機に倒れて先制できず、申し訳ない。相手は体づくり、打線のつながりがすごかった。(秋以降は)2年生以下が頑張ってくれると思います。
○開星・野々村直通監督 (監督)復帰6年目で(甲子園に)出られるのは感無量。選手がよくやってくれた。先発の松浦は投げっぷりがよかった。打撃では「ボール球を打ってもヒットにならないよ」と言ったくらい。よくあれだけ点をとれた。
●松江南・嶽野正樹監督 相手打線に圧倒されたが、粘り強さを最後まで出してくれた。立派な準優勝。どん底からはい上がろうと守備にこだわってきたことに悔いは無い。この財産が来年以降につながる。負けたこの瞬間から、次に生かしたい。
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第107回全国高校野球選手権島根大会は25日、全日程を終えました。みなさまのご声援を受け、参加した39校37チームの選手たちは練習の成果を発揮し、全力でプレーしました。運営を支えてくださったすべての方々と、高校野球ファンのみなさまに、主催者として心より御礼を申し上げます。
島根県高校野球連盟
朝日新聞社