(25日、第107回全国高校野球選手権石川大会準決勝 金沢3―2星稜=延長十回タイブレーク) 「切り替えて次へ」。相手に…
(25日、第107回全国高校野球選手権石川大会準決勝 金沢3―2星稜=延長十回タイブレーク)
「切り替えて次へ」。相手に先制本塁打を浴びた直後も、星稜の道本想投手(3年)は冷静だった。三振を奪って後続を断ち、味方の反撃を待った。
八回にチームが適時打で同点に追いつくと、「まだ続く」と気持ちを持続させてマウンドへ。右足に違和感を感じながら、勝ち越しを信じて粘り強く投げた。
延長戦に持ち込むまであとアウト一つのところで、右足がつり、戸田慶星(けいた)投手(3年)にマウンドを託した。「信頼しているので任せられた」。だが、延長十回、サヨナラ負けの幕切れを迎えた。
8回3分の2、108球、1失点。これまで意識してきた、低めに変化球を集める投球は、本塁打の1球を除けばできた、と自負する。
「満足はしていないが、エースの最低限の役割は果たせたと思う」。取材に淡々と話した後、帽子を目深にかぶってひざから崩れて悔しさをにじませた。(杜宇萱)