バルセロナのスター軍団も二転三転した交渉にやきもきしていたようだ(C)Getty Images 水面下で繰り広げられたギ…

バルセロナのスター軍団も二転三転した交渉にやきもきしていたようだ(C)Getty Images

 水面下で繰り広げられたギリギリの交渉の末に、事態は収束へと向かったようだ。

 列島を揺るがすアクシデントのキッカケとなったのは、ラ・リーガ王者バルセロナが現地時間7月23日に公表した声明だった。来る27日にノエビアスタジアム神戸で開催予定だったヴィッセル神戸とのチャリティーマッチを予定していた彼らは「プロモーターによる重大な契約違反」を理由に参加を取りやめる意向を明らかにしたのだ。

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 文字通り来日直前で下された急転直下の判断だった。バルセロナに拠点を置く日刊紙『AS』などによれば、楽天ヴィッセル神戸株式会社とともにイベントの主管となっていた株式会社ヤスダグループからの報酬支払いが期限を過ぎても停滞。これに憤怒したバルサ側が参加拒否を表明した。

 バルサの来日はキャンセルされると思われたが、三木谷浩史会長を筆頭とした楽天グループが動く。株式会社ヤスダグループが未払いとした費用負担金500万ユーロ(約8億6500万円)を肩代わり。関係各所を納得させ、一気にチャリティーマッチ開催へとこぎつけたのだ。

 なんとか金銭面の課題をクリアし、来日に向けた移動準備を進めるバルサの面々。一方で、重要なプレシーズンの計画が二転三転したことで、“現場”の日本側へのフラストレーションは溜まっているという。

 バルサのありとあらゆる情報を発信している日刊紙『SPORT』は、「不信感もあった日本とのやりとりはただ終わりを迎えたわけではない」と指摘。楽天側との水面下で進められた緊迫の交渉をリポートした。

「バルセロナは楽天に離陸前に負担金を支払うよう要求した。一方、楽天はクラブが資金を支払った後に契約を破棄しないという保証を求めた。この駆け引きはほぼ非現実的な状況にまで発展し、どちらも先に手を打つことを拒むような対立状態にまでなりかけた」

 最終的にバルサ側が楽天の提案を飲んだということなのだろう。ただ、『SPORT』は、神戸戦実現に向けた交渉が破談しかけてもおかしくなかったことを指摘。その上で「クラブの関係者によると、どっちつかずの状況は一部の選手間で不快感、そして怒りを招いていた」と伝えている。

 25日の夕方には神戸とバルサがそれぞれ試合開催の合意を正式発表。ほどなくしてバルサイレブンも日本に向けて出発した。ただ、ラ・リーガ王者が調整期間もなく、ほぼぶっつけ本番で挑むことになるのは必至。移動の疲労を考えれば、アグレッシブなパフォーマンスは望めないが、異例のチャリティーマッチは、いかなる展開となるだろうか……。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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