(25日、第107回全国高校野球選手権千葉大会準決勝 八千代松陰2―1習志野) 「先制して、ピッチャーの(高橋)優太を楽…

(25日、第107回全国高校野球選手権千葉大会準決勝 八千代松陰2―1習志野)

 「先制して、ピッチャーの(高橋)優太を楽にしたかった」。五回表1死、八千代松陰の捕手、高橋結人(3年)は左前打で出塁すると、相手のベースカバーが遅れたとみて二塁を陥れた。続く適時打で、欲しかった先制のホームを踏んだ。

 相手はAシードの習志野。だが、打席に入る打者のスイングを丁寧に観察し「調子は下降気味だ」と判断した。10メートル近い特有の追い風も味方に、いつもと配球パターンを変えて直球主体で強気にリード。8回まで4安打無得点に抑えた。

 2人の高橋は昨年からバッテリーを組んだが、ピンチで失点を重ねる試合が続いた。「人間性を磨け」と兼屋辰吾監督から指導を受け、2人で普段の生活態度を見直した。グラウンド清掃などに積極的に加わるようになると、自然と相手の考えを理解できるようになった。高橋優はバッテリーの関係を「一心同体」と表現する。

 勝利目前の九回、硬さが見られた高橋優が連打を浴びて降板したが、救援投手を落ち着いてリードしてピンチを切り抜けた。兼屋監督は「それぞれの投手の調子をうまくつかみ、引っ張ってくれている」。成長した「扇の要」の存在で27年ぶりの頂点を目指す。(鈴木逸弘)