<全国高等学校野球選手権奈良大会:奈良大付7-6畝傍>◇24日◇準々決勝◇さとやくスタジアム 春の準優勝校・奈良大付が準…

<全国高等学校野球選手権奈良大会:奈良大付7-6畝傍>◇24日◇準々決勝◇さとやくスタジアム

 春の準優勝校・奈良大付が準優勝した昨年に続いて2年連続の4強入り。終盤に追い上げる畝傍を振り切った。

 中盤までは完全に奈良大付ペース。3回表に二死一、三塁から2番・豆越 陽人内野手(3年)の左前適時打で1点を先制。4回表には5番・寺島 遥内野手(3年)のソロ本塁打などで2点を加えた。

 3対1で迎えた5回表には一死一、二塁から4番・石井 颯太捕手(3年)が高めのスライダーを捉える左越え3ラン本塁打で追加点を挙げる。1打席目は全休スライダー、2打席目は全休ストレートで攻められていた石井。「交互でくるだろうなと監督さんと話していて、『スライダーに張っていいぞ』と声掛けをして下さったので、監督さんを信じて、スライダー一本に絞っていました」と田中 一訓監督のアドバイスが効いた形となった。

 春の県大会決勝で天理にノーヒットノーラン負けを喫するなど、これまでは打撃が課題だった奈良大付。6月にはバットを振り込む量を増やし、打力強化に力を注いできた。「1ヶ月後に効果は出るかなと僕は思っているので、今は良い感じになっています」と田中監督は言う。

 3回戦の奈良高専戦は4回で11点を奪って5回コールド勝ち。この試合も6回までに7点を奪い、練習の成果を存分に発揮してみせた。

 奈良大付の先発は最速148キロ右腕のエース・杉山 竜之輔投手(3年)。「変化球と真っすぐを良い感じに絡められたので、自分が思うようなピッチングができたかなと思います」と7回まで2安打2失点と試合を作る。

 しかし、疲れが見え始めた8回裏には連打で一死一、二塁のピンチを招くと、4番・山本 卓和捕手(3年)に左中間を破る2点適時二塁打を浴び、3点差に迫られる。それでも杉山はエースの意地を見せ、これ以上の追加点を許さない。

 9回裏は長身右腕の新城 楓雅投手に継投。連続三振で簡単に二死を奪ったが、連打で一、二塁とされると、2番・上島 涼介内野手(3年)に右中間への2点適時二塁打を打たれて1点差に迫られてしまう。

 ここで奈良大付の選手たちはマウンドに集まり、「夏の大会はそんなに甘くないぞ」と新城に声をかける。これに発奮した新城は次の打者を空振り三振に仕留め、辛くも逃げ切った。

 7年ぶりの甲子園出場まであと2勝。ここからは厳しい戦いが続く。「僕たちは粘って終盤勝負というチームなので、粘り負けしないようにしたいです」と意気込む石井。総力戦で頂点を掴みに行く。