<2025年全国高等学校野球選手権奈良大会:天理11-0御所実(5回コールド)>◇24日◇準々決勝◇さとやくスタジアム …

<2025年全国高等学校野球選手権奈良大会:天理11-0御所実(5回コールド)>◇24日◇準々決勝◇さとやくスタジアム

 2季連続の甲子園出場を目指す天理が5回コールド勝ち。2年ぶりに4強入りを果たした。

 天理は初回から猛攻を見せる。一死から2番・伊藤 達也内野手(3年)が「追い込まれていたので、コンパクトに弾き返すことを意識していました」と外角高めのストレートに合わせると、打球はライトポール際にスタンドイン。「チームを勢いづける1点になったので良かったです」と伊藤が話すようにこの一発が天理打線に火を付けた。

 天理は打者一巡の攻撃を見せると、二死三塁からこの回2度目の打席となった1番・冨田 祥太郎内野手(3年)が「ホームランの感触だったので、いったと思いました」とライトに2ラン本塁打を放ち、いきなり8点を挙げた。

「試合を重ねるごとに相手さんの横顔が見えてきますので、『チーム全体でしっかり準備をしなさい』と言っていました。選手がよく考えて試合に臨んでくれています」と語る藤原 忠理監督。選手たちが相手を見て、準備を怠らなかったからこそ生まれた先制攻撃だった。

 大量リードを奪っても天理は緩んだところを見せない。大振りに走ってもおかしくない試合展開の中、3回裏には二死一、二塁から3番・赤埴 幸輝内野手(3年)がお手本のようなセンター返しを見せ、適時打で1点を追加。4回裏には代打の金本 相有外野手(2年)と本田 将真外野手(2年)の適時打で2点を加え、リードを11点に広げた。

 投げては4人の継投で5回を2安打無失点。3試合連続のコールド勝ちと圧倒的な強さでここまで勝ち上がっている。

 今大会の天理は3試合連続2ケタ得点に加えて、無失点と投手陣も盤石。「たまたまです。打線が好調なのがピッチャーに勇気を与えているんじゃないですかね」と藤原監督は謙遜するが、指揮官が目指す守り勝つ野球が着実に浸透している。

 隙のない野球で準決勝までコマを進めた天理。「ここからが難しい。相手の投手力もグンと上がりますので、この打線が通用するのかを確かめながら進めていきたいと思います」と藤原監督は気を引き締めていた。