◇国内女子◇大東建託・いい部屋ネットレディス 初日(24日)◇ザ・クイーンズヒルGC (福岡)◇6503yd(パー72…
◇国内女子◇大東建託・いい部屋ネットレディス 初日(24日)◇ザ・クイーンズヒルGC (福岡)◇6503yd(パー72)◇晴れ(観衆1704人)
午後3時半、福岡・糸島市内の気温は35.9℃を観測した。日本列島を包む連日の酷暑を受け、大会はことし、プロアマ戦から本戦最終日まで第1組のスタート時刻を午前6時に設定した。国内女子ツアーで異例の措置は、ちょうど1年前に計画が浮上していた。
2015年の初回から7月、8月に開催してきた大会は、開幕前日のプロアマ戦を午前7時スタートで行うのが慣例だった。昨年、それを30分早めたことが参加ゲストらのあいだで好評を博し、本戦においてもティオフの前倒し可能なラインを探ったという。
日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)との協議を経て正式に決定。来場者への周知は前売りチケット等に印字するなど、早い段階で行った。ギャラリー用の駐車場は日の出のおよそ10分前、午前5時15分にオープン。輸送バスは最寄りの糸島高校駅にその日最初に到着する電車に合わせた。さらに、会場では冷却ボディシートやメッシュキャップ、うちわや塩分タブレット、ドリンク(1本ずつ)の配布も実施。薄暗いコースに配置する投光器の準備や早朝の人員確保等、表に見えない部分での費用もかさむ。
この初日、10番からトップスタートした青木瀬令奈の目覚ましは午前3時に鳴った。「一緒の組の選手は(起床が)2時40分と言っていた(笑)」という未明からの準備にも、「めちゃめちゃありがたい」と早朝スタートを歓迎した。「選手ミーティングでも、『本当にスタートを早くしてほしい』という話をずっとしていた。『練習場が暗くても良いので、とにかく早く』と要望があった」という。
5バーディ、1ボギーの「68」で4アンダー13位スタート。「サスペンデッドの(翌日の)再開時はともかく、正規のラウンドで6時スタートは初めてでしたけど、気持ちよく回れた。朝は木の影が長く、半分以上フェアウェイに来るので、前半はほとんど日傘をささずに過ごせた」と効果を実感。
大会での対策はコースの協力あってのこと。ゴルフ場の管理スタッフは午前3時前には業務を始めるという。「2ホール目を回っていた時に、次のホールでまだ散水作業をされていて、『やっぱりそうなるよね』と感じた。ゴルフ場さんにも最大限にご尽力いただいているというのがトップスタートだったからこそ、よくわかりました」と青木は感謝しきりだった。(福岡県糸島市/桂川洋一)