<2025年全国高等学校野球選手権愛知大会:愛工大名電1―0誉◇23日◇準々決勝◇小牧市民球場 今年は、どちらもノーシー…

<2025年全国高等学校野球選手権愛知大会:愛工大名電1―0誉◇23日◇準々決勝◇小牧市民球場

 今年は、どちらもノーシードという立場で夏を迎えることになった両校だが、やはり実力校同士である。薄暮の中引き締まった試合となった。

 愛工大名電は3回戦では西三河の公立の優良校・西尾と点の取り合いとなりながら、9対5で勝ち上がり、4回戦では名古屋に1点リードされながらも8回に3点を奪い逆転しての辛勝。そして5回戦の、1点を争う大接戦の末、2対1でセンバツ出場校の至学館を下した。こうした、苦しい戦いを経ながらも、しっかりと勝ち上がってきているのはさすがと言っていいであろう。接戦を戦って行くことで、チーム力も上がっていくのが、強豪校である。

 誉も、この春、圧倒的な強さを示してきたわけではないが、尾張地区の1位校シードとなった。しかし、県大会では西尾東に屈して夏のシードを逃した。1回戦からの戦いとなったこの夏は、3回戦でその西尾東に雪辱。先日の5回戦では、同地区で勢い良く勝ち上がってきた西春に対して苦しみながら、終盤で得点をも重ねて突き離して、きちんと勝ってきた。こうして、戦いながらチーとしてもさらに成長しているという感じである。

 令和最初の甲子園出場を果たしている誉だが、その後は愛工大名電が3年連続、夏を制している。令和になって、甲子園出場を果たしている同士の対戦でもあるが、この夏はどちらも、1回戦からの登場で、この試合が6試合目となる。甲子園へは、ここからさらに3つ勝たなくてはいけない。そのあたりにも、激闘愛知を実感させられる。

 この大会は、サマータイム制を導入している愛知大会、予定では16時30分開始だったが、前の試合の関係で17時15分プレーボールということになった。さすがに、日中の暑さは和らいできていた。

 そんな中での試合は、愛工大名電は11番の岩田 知樹投手、誉は南原 誉蓮投手(3年)が先発。両投手の投げ合いとなり、4回までは、どちらも三塁へ進めることもならなかった。5回に初めて誉が三塁へ進めたものの、安打した走者が飛び出して一塁で刺されて好機を作るまでには至らなかった。

 誉の矢幡 真也監督は、6回からは予定通り樋口 澄明投手(3年)を投入。0対0の投手戦はそのまま続いた。

 最初の1点は8回、愛工大名電の堀田 将大選手(1年)の打球が、薄暮で打球が見にくくなっていたということもあって、ラッキーな形での二塁打で、二塁走者が還った。結果的に、これが決勝点となった。愛工大名電は9回のマウンドは、エースナンバーの磯田 桜士朗投手(3年)が、先頭に安打されつつも、その後は何とか抑えて、愛工大名電が辛くも逃げ切った。

 苦しい戦いの中で、何とか1点をもぎ取っての勝利に、愛工大名電の倉野光生監督は、「相手投手は南原君とサイドの樋口君で繋いでくるとは思っていたけれども、事前に見た映像でも、これはなかなか打てないのではないかとは思っていました。よく1点取れたと思います」と喜んでいた。そして、今大会はノーシードとなり1回戦からの戦いについては、「まぁ、あれだけいっぱい練習したんだからね。1回戦からこうやって多くの試合をやっていくと夏の大会らしいね。それに、経験値も上がっていくから、いいんじゃないですか」と、自身の考えを述べていた。