<2025年全国高校野球選手権大会大会:昌平15-8 川越東(7回コールド)>◇23日◇準々決勝◇レジスタ大宮球場 4回…

<2025年全国高校野球選手権大会大会:昌平15-8 川越東(7回コールド)>◇23日◇準々決勝◇レジスタ大宮球場

 4回戦で昨夏覇者・花咲徳栄を破り勢いに乗る、昨夏準優勝校の昌平と春4強の川越東との一戦。

 先発は花咲徳栄戦以来の登板となる窪田竣介(3年)、川越東は2年生左腕・古沢優翔が登板し試合が始まる。

 試合は昌平が14安打、川越東が13安打と両校合わせ27安打の打撃戦となる。

 初回、相手の失策で1点を先制した昌平だったが、この日は窪田がピリッとしない。ボールが高く川越東打線に痛打される。

 1回裏、4番・星智貴(3年)に適時打を浴びると続く下田琉惺(3年)にも犠飛を浴び1対2と逆転を許す。

 窪田は2回も立ち直る気配が見られず、9番・三島和也(3年)に二塁打を浴びると、さらに四球を与えるなど2死二、三塁となった所で、昌平ベンチは早くも窪田を諦め、2年生左腕・吉田裕哉へスイッチする。

 だが、吉田も流れを止められず、星に中前2点適時打を浴び1死も取れずエース左腕・木下雅斗(3年)へマウンドを譲る。木下も代わり端、下田に右前適時打を浴びるなど、この回3点を失い1対5となる。

 それでも「相手の打線も良いので追いかける展開も想定はしていた。4点ビハインドでしたが付いていけば終盤ワンチャンスだから」と岩崎監督は慌てていなかった。

 3回に6番・中島航作(2年)の犠飛で1点を返すと、4回表には8番・佐藤光輝(2年)、9番・木下の連打など1死二、三塁とし、2番・田中彪真(3年)のピッチャー強襲適時打で2点差に迫り、川越東・古沢は治療に入る。

 古沢は戻るも、その後の1死一、三塁で諏江武尊(3年)が

「狙ってました。自分は前の打席で変化球を打ってヒットだったんですけどあまり良い形で打てなかったのでもう一回来るかなと」と、2球目の変化球を捉え3ラン本塁打を放ち6対5と逆転に成功する。

 勢いを得た昌平打線はさらに、佐藤光の適時打に相手の失策などで2点を追加すると、代わった2番手左腕・肥沼良成(3年)からも1番・嶋田大晋(3年)が2点適時打を放つなど打者14人の猛攻でこの回一挙8得点を奪うビックイニングを作り10対5とする。

 その裏、星に2ランを浴び3点差とされるも、6回表にも8番・[player]中川大雅[/player](3年)、5番・大倉巧翔(2年)、中島の3長短打などで一挙5点を奪いコールドペースへ持ち込む。

 投げてはエース木下が2回途中から最後まで投げ抜き5回1/3 3失点とまとめる。結局、7回コールド15対8で昌平が川越東を下し、夏3年連続ベスト4進出を決めた。

 昌平はこの日投手陣が苦しんだが、打線がカバー。岩崎監督は

「古沢くんは2年生なので今のうちに捉えておかないと。最大4点ビハインドも4回に集中打が出た。あまり見たことない姿でやっぱり高校生は成長する。打撃は水物とは言いますが、うちのストロングポイントだと思っている。諏江にはビックリしますし、感謝」と選手達の成長に目を細める。この日チームを救った木下に対しては「暑い中木下の佇まいや立ち振る舞いは0点で抑えるとかより、彼がイキイキやっているなら俺たちもって自分も含めてチームに勇気を与えてくれる存在」と、全幅の信頼を置いている。

 次の相手はセンバツベスト4の浦和実だ。

「浦和実に対して、センバツはもちろん応援していましたが、それと同時に悔しさもあった。次はそういう想いを表現できる試合になればいい」と、岩崎監督は虎視眈々と主役の座を狙う。