<2025年全国高等学校野球選手権埼玉大会:浦和実8-1伊奈学園◇23日◇準々決勝◇県営大宮野球場「この試合抑えられなか…
<2025年全国高等学校野球選手権埼玉大会:浦和実8-1伊奈学園◇23日◇準々決勝◇県営大宮野球場
「この試合抑えられなかったら、3年生も終わりだからな」。辻川 正彦監督からのゲキに今大会初先発となった浦和実の松本 夏輝投手(2年)は、好投で応えた。
初回の立ち上がりで3者凡退に切ると、「直球で押せていたし、変化球でカウントもとれた」と走者を出しながらも粘りの投球で6回無失点にまとめ、相手打線の反撃を断った。辻川監督も「試合を作ってくれた。仕事はしたと思います」と一定の評価を下し、センバツで躍動した石戸 颯汰投手(3年)、駒木根 琉空投手(3年)ら左腕が投手陣の中心を占めるなか、一つ存在感を示した。
自慢の真っすぐは最速139キロ。ウエイトトレーニングや下半身強化のランニングを行い、この3カ月で10キロアップした。6月の練習試合では勝っている試合で逆転を許すこともあったが、「開き直って思い切り投げられるようになった。その結果6月中旬に136キロ、下旬には139キロまで伸ばすことができた」と指揮官。「以前まではごまかそうとする投球だったけど、今は自分の真っすぐを信じられるようになった」とみるみるうちに成長していく右腕を称えていた。
松本は小原沢 重頼投手コーチと「躍動感」を課題に練習に取り組んできた。「自分はこじんまりと投げるタイプだったので、体を大きく表現してボールに力を伝えられるようなった。ボールも重くなり、フライアウトが増えた」と成長を実感。今春センバツはメンバー外となったが、急成長を遂げ、投手陣の一角を担うまでの信頼を勝ち取っている。
辻川監督は「投手陣は4人であと2つ乗り切りますよ。やっぱりもう一回甲子園行きたいね」と悲願の夏制覇に向け気合いを入れ直した。センバツで見せた躍進を、今度は夏の聖地で再現する。