宇都宮のエース見目脩介(3年)は、持ち前の制球が定まらない。ここまで全試合に先発し、3日前は完投。疲れは限界に達してい…

 宇都宮のエース見目脩介(3年)は、持ち前の制球が定まらない。ここまで全試合に先発し、3日前は完投。疲れは限界に達していた。

 そんな見目を楽にしたい、と気を吐いたのが相棒の北村駿磨(しゅんま)(3年)だ。入学から2年半、バッテリーを組んできた。初回の打席、北村は2ボール2ストライクと追い込まれてから、2点を先取する適時三塁打を放つ。

 「前の試合で活躍できなかったので、打ってやろうと思った」。続く木滝琉雅(りゅうが)(3年)の適時打で、自ら3点目のホームを踏んだ。

 しかしその裏、宇都宮工に同点に追いつかれる。マスク越しに守備陣を見渡していた北村は、「全体に浮足立ち、思考が止まってしまった感じだった」と振り返る。

 しっかり守り、少ない好機をものにするのが身上のチームで、細かなミスが相次ぐ。見目は2回を投げて降板。その後は2年生投手2人がマウンドに上がった。経験の少ない2人に「楽しんで自分の力を出せ」と声をかけたという北村。配球に工夫をこらしたが、勝てば7年ぶりの4強となる相手の勢いは止められなかった。

 今年のチームについて「もともとは決して野球のうまい選手たちでなかった」と篠崎淳監督。だがそのメンバーで、ノーシードから25年ぶりに8強に進んだ。原動力はひとえに「3年生たちのひたむきに野球に取り組む姿勢だ」(篠崎監督)。大会が進むにつれ、勝ちへの執念も生まれてきた。

 「苦しいときにいつも支えてくれたのが北村」と見目。「見目と試合ごとに成長できたと思う」と北村。負けは悔しいが、努力次第でここまでやれる――。後輩たちにその背中をみせることはできた。(高橋淳)