(23日、第107回全国高校野球選手権山梨大会決勝 山梨学院4―3日本航空) 身長194センチ、最速152キロ。プロ注目…
(23日、第107回全国高校野球選手権山梨大会決勝 山梨学院4―3日本航空)
身長194センチ、最速152キロ。プロ注目の大型右腕は、最後の打者を打ち取るとマウンドで雄たけびをあげた。山梨学院の菰田陽生(はるき)投手(2年)が七回から登板し、1点差を追いかける日本航空の攻撃をしのぎきった。
チームを3年ぶり11回目の夏の甲子園に導いたエースを支えたのは、頼れる先輩たちだった。
八回表1死、一、二塁。代打の7番・熊田蒼選手(3年)のあわや中前に抜けようかという強打を、遊撃手の平野天斗選手(3年)が横っ跳びで好捕。二塁手の万場翔太選手(3年)にグラブトスし、併殺に仕留めた。「練習や寮でよく話しかけてくれてお世話になっている先輩。さすが3年生と思うプレーだった」
4―3と1点リードで迎えた九回表2死。優勝まであと1人の場面で、1番・伊藤溜偉選手(3年)の左越え二塁打で一打同点のピンチに。「やばい」。動揺した菰田投手に、三塁を守る梅村団主将(3年)は、「冷静に行くぞ。しっかり打たせてこい」と声をかけた。続く打者を、遊ゴロに仕留めてゲームを締めた。
この日は、直球主体で投球を組み立てた。長身を生かした上から投げ下ろすような威力ある直球が打者を翻弄した。七回には、狙い通りの直球で、相手の主力の3番・雨宮英斗主将(3年)から三振を奪った。
今春の選抜大会後、筋力トレーニングに取り組んで、体重は100キロを超えた。「152キロをもう一度という思いはある。甲子園までにはもう一つ(ギアを)上げていきたい」。今春に続く甲子園での登板を、早くも見据えた。(棟形祐水)