(23日、第107回全国高校野球選手権福島大会準決勝 会津北嶺8―7学法石川) 中学時代からバッテリーを組んできた2人…

 (23日、第107回全国高校野球選手権福島大会準決勝 会津北嶺8―7学法石川)

 中学時代からバッテリーを組んできた2人の最後の夏は、準決勝で幕を閉じた。

 三回途中から登板した学法石川のエース佐藤翼投手(3年)。21日の準々決勝で100球近く投げ、この日は「五回か六回から投げる想定だった」という。

 会津北嶺が序盤に得点を重ね、急きょ登板した。投げると帽子が落ちた。「頭が振れてバランスが悪い」。四回に5四死球と乱れて4失点。

 主将の大栄利哉捕手(3年)は、ピンチでもマウンドの佐藤投手へ個別に指示しに行くことはしなかった。「スライダーが抜け気味だった。翼自身がわかっていたはずだから」。

 その代わり、佐藤投手には、大栄捕手が直球を要求するサインを出しながら「オレを信じろ」と叫んでいるのが聞こえた。直球主体に変え、5回以降、6三振を奪って無失点に抑えた。試合後、「あとで、ありがとうって伝えます」と佐藤投手。

 2年春の選抜大会で甲子園のマウンドを踏んだ佐藤投手。このときは大栄捕手がけがでマスクをかぶれなかった。今春は佐藤投手がけが。夏に復帰し、「甲子園で組んで試合をしたかった」と二人は口にした。

 これでバッテリーは解消する。道は異なっても、野球は続けていくつもりだ。(西堀岳路)