(23日、第107回全国高校野球選手権岡山大会準々決勝 倉敷商5―1美作) 六回裏、美作の攻撃を前にベンチ前で横山弥思(…

(23日、第107回全国高校野球選手権岡山大会準々決勝 倉敷商5―1美作)

 六回裏、美作の攻撃を前にベンチ前で横山弥思(みこと)主将(3年)を中心に選手たちが集まった。

 相手は春の中国大会を制した倉敷商。三回に追いついたが五回に2点突き放された。強豪のプレッシャーを感じたのか、選手たちの顔は暗かった。

 「気持ちで負けるな。ここで諦めないぞ」。もう一度気合を入れ直した。

 「県北から初の甲子園へ」がチームの合言葉だ。中学は軟式でプレー。高校進学時には県南の学校を選んだ仲間もいたが、地元に残り、地元の選手で甲子園を目指すことに魅力を感じ、美作進学を決めた。

 今大会のベンチ入りメンバーは、ほぼ全員が県北の中学出身。2回戦でシード校の岡山商大付、3回戦は就実と岡山市内の私立校に連勝し、初のベスト8入り。4強をかけて倉敷商との対戦が決まると「全てをかけて何とか勝とう」と思いを共有した。

 六回裏の攻撃は、1死一塁で4番の横山主将に打順が回ってきた。「悔いが残らないプレーを」と力が入ったのか、一塁への詰まったゴロ。171センチ、79キロの体で全力で一塁まで走り抜き、併殺は免れた。2死から次の打者が安打でつなぎ、自らは二塁まで進んだが、あと1本が出なかった。

 試合が終わり、両チームが整列しあいさつ。対面する倉敷商の佐藤拳吾主将に「甲子園に行ってね、頼んだよ」と声をかけ、抱擁して健闘をたたえ合った。吉田章彦監督は「選手たちはハングリー精神で、気持ちで引くことなく戦ってくれた」とたたえた。

 「甲子園出場という目標は達成できなかったけど、ちょっとは爪痕を残せたと思っています」。思いは後輩に託して球場をあとにした。(上山崎雅泰)