（23日、第107回全国高校野球選手権福岡大会準々決勝 北筑2―9東筑紫学園＝七回コールド） ノーシードで勝ち上がって…
（23日、第107回全国高校野球選手権福岡大会準々決勝 北筑2―9東筑紫学園＝七回コールド）
ノーシードで勝ち上がってきた北筑の準々決勝。先発マウンドを託されたのは、左腕の東川朝光投手（3年）だった。
180センチ近い細身の体で、ゆったりとしたフォームから投じる直球は最速で120キロ。100キロ台のスライダーを交えて、低めにコントロールする。5回戦の飯塚戦はその投球がさえ、延長十回を投げきり、散発3安打で完封した。
ただ、この日は苦しんだ。高めの球を痛打され、三回途中3失点で降板した。「やっぱり前の試合の疲れが取れていなかった」
相手の東筑紫学園も、東川投手の対策をして臨んでいた。古賀敬悟監督は「狙い通りに緩い球を引きつけて打つことができた」と振り返る。
東川投手が北筑に進んだのは、憧れのOBがいたから。同じ中学の軟式野球部出身で、大リーグのカブスで活躍する今永昇太投手だ。中学時代、身長は高いが非力で、今永投手のような伸びのある速球を投げるのは難しいと感じた。一方、「投げる哲学者」と評される今永投手の「考え抜く投球に強く影響を受けた」。打者の構えや雰囲気から、相手が打ちにくいコースを狙う「打ち取る投球術」を磨いてきた。
試合後、東川投手は「この夏、自分の投球スタイルを貫きたいと思っていた。それができた」と笑顔で語った。中学時代からバッテリーを組んできた古川大凱捕手（3年）は「東川は今日もいつも通り。この大会で『集大成』を見せてくれた」とねぎらった。（小勝周）
