（23日、第107回全国高校野球選手権長野大会準決勝 佐久長聖8―0上田西=七回コールド） 一回3点、二回2点、三回2…
（23日、第107回全国高校野球選手権長野大会準決勝 佐久長聖8―0上田西=七回コールド）
一回3点、二回2点、三回2点、四回1点。序盤から苦しいイニングが続く。上田西は繰り出す投手がことごとく捕まった。
捕手の松野暖（ひなた）（2年）はピンチで何度もマウンドに行き、先輩投手を励ました。余裕を持たせようと、試合のことにはなるべく触れなかった。「一緒に甲子園に行きましょう」と明るい話をした。
五回からは内角高めの直球を積極的に使うリードに切り替えた。
三振や飛球で打ち取り、五、六回は三者凡退。相手の流れを食い止めた。「序盤は余裕がなくのまれた。初回から使えていれば」と悔いが残った。
上田西打線は相手投手の低めのスライダーを打ち崩せず、散発5安打。そのうちの1安打は松野のバットから生まれた。
三回、先頭打者として中前にはじき返した。だが、塁上では笑顔を見せなかった。「喜んでチームを盛り上げるよりも、捕手として隙を見せたくなかった」と冷静だった。
頂点まで少しだった。しかし、まだ1年ある。「先輩たちの代で果たせなかった甲子園出場を実現させたい」（小山裕一）
