<2025年全国高等学校野球選手権神奈川大会:横浜5-4平塚学園>◇22日◇準々決勝◇サーティーフォー保土ヶ谷球場 ノー…

<2025年全国高等学校野球選手権神奈川大会:横浜5-4平塚学園>◇22日◇準々決勝◇サーティーフォー保土ヶ谷球場

 ノーシードから神奈川の頂点を目指した平塚学園。横浜を9回2死まで追い詰めたが、逆転敗けを喫してこの夏を終えた。それでも新チームに入ってから県内無敗の絶対王者相手に、堂々たる戦いを見せ、会場は大きな拍手で包まれた。

「横浜が負けるかもしれない」。そんな球場の雰囲気をもたらしたのは、先発した石塚 蒼生投手(3年)だった。投げてはコースをつく丁寧な投球で横浜打線をスイスイと抑えた。「相手がスライダーを待っていると思い、夏は使っていなかったチェンジアップを投げた」と対策もはまり、7回途中2失点。7回終えて4対2とリードしていた。

「このチームはメンタルトレーニングに力を入れてきた。野球の技術は横浜の方が上なので、相手の土俵にのらず、崩れるのを待っていた。自分たちがチャレンジャーとして攻める姿勢は忘れず、球場全体に"いけるぞ"という雰囲気をもっていきました」(石塚)

 終盤になるにつれ、徐々に歓声は大きくなった。9回1死には3連打を浴びたが、藤原 レイ外野手(3年)の好返球で間一髪同点を阻止。絶対王者を2死まで追い込んだが、最後は阿部 葉太外野手(3年)にサヨナラ打を許し、センバツ王者の執念に屈した。

 歴史的死闘に勝った横浜の選手たちも涙した。村田 浩明監督も「抜けたらこっちに流れが来るという当たりを全てアウトにされた。本当に苦しい試合だった」と薄氷での勝利を振り返っていた。