柔道男子66キロ級 田中龍希 佐賀・佐賀商3年 2年連続準優勝に終わった悔しさを胸に、悲願の初優勝を目指す。「結果を出し…


柔道男子66キロ級 田中龍希 佐賀・佐賀商3年 

 2年連続準優勝に終わった悔しさを胸に、悲願の初優勝を目指す。「結果を出して、一日でも早く兄たちに追いつきたい」と話す。

 佐賀市出身。3歳の頃から長男・龍馬(23)(JESエレベーター)と次男・龍雅(21)(筑波大)の通う道場に付いていく形で柔道を始めた。中学の全国大会で好成績を収め、兄たちの背中を追って佐賀商に進んだ。

 高校1年で全国高校総体準優勝。しかし、昨年の全国総体は同じ相手に敗れて準優勝となった。一方、昨年の世界選手権では龍馬が66キロ級を制すと、龍雅が男女混合団体で優勝と世界で活躍し、「どんどん兄は上に行っていて、自分は停滞している」と焦った。

 2人の兄は電話で助言し、時にはビデオ通話で手本を見せてくれた。口酸っぱく言われたのが「戦う相手は自分」。想定外の攻めに動揺し、力を発揮できない悪癖を見透かされていた。

 寝技や足技を強化し、冷静さを保つための自信を付けてきた。九州大会では苦手な背中を持たれる展開にも対応。組み手で崩すスタイルで勝ちきり、3年連続の全国総体出場を決めた。

 夢は五輪制覇。龍馬は同じ階級で、ライバルでもある。「自分はまだそのレベルにないけど、いつか必ず勝つという気持ちは持っている」。偉大な兄たちを超えるため、高校日本一をつかみ取る。(上本虎之介)
 

写真=インターハイ初制覇を狙う田中龍希(左)