今月26日、福島県で開幕する全国高校総体のサッカー男子に、青森県代表として八戸学院野辺地西高校(野辺地町)が初出場する…

 今月26日、福島県で開幕する全国高校総体のサッカー男子に、青森県代表として八戸学院野辺地西高校(野辺地町)が初出場する。6月の県大会決勝で、2000年から24連覇中だった「絶対王者」の青森山田高校を破り、ついにつかんだ全国大会の切符だ。(青森支局 田部井駿平、写真も)

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 県大会の決勝は、山の頂に立つための「胸突き八丁」のような激闘だった。野辺地西は開始早々に先制したが、後半に追いつかれた。1―1で延長戦を終え、PK戦にもつれ込んだ。先攻の相手が外した後、野辺地西の7人目が決め、死闘を制した。

「『やってやったぞ』といううれしさと、本当に勝ったのかと信じられない気持ちが半々だった」。FW藤田律主将(3年)は振り返る。

 野辺地西が高校総体の県大会決勝で青森山田と対戦するのは今回が9度目。青森山田とは、冬の全国高校選手権の県大会決勝でも10度対戦したが、すべて敗れていた。19年の決勝では0―0でPK戦まで持ち込んだが、わずかに及ばなかった。

 「あと一歩が届かないのが苦しかった」。04年からチームを率いる三上晃監督(49)は言う。「それでも諦めたら終わってしまう。地道にやっていくしかなかった」

 青森山田によると、同校は00年4月から今年の県大会決勝まで、県内の公式戦418連勝中で、全国高校総体と全国高校選手権を計6度制していた。三上監督には、そうした最高の相手と競えるのは「子どもたちにとって恵まれたこと」との思いもあった。

 チームは常に全国レベルのスピードや正確性、競り合いの強さを意識して練習を続けた。迎えた県大会決勝は「攻守にわたって豊富な運動量を継続し、自信を持って試合運びができた」と三上監督。選手たちの走行距離は11~12キロと、それまでの試合の平均10キロと比べても長く、勝利への強い意欲が表れた。

 藤田主将は「青森山田を破った県代表として注目されるので、恥ずかしくないゲームをしたい」。初の全国の舞台へ、胸を高鳴らせている。