(22日、第107回全国高校野球選手権静岡大会4回戦 藤枝明誠7―0清水東=七回コールド) 五回表1死一、三塁。藤枝明…

 (22日、第107回全国高校野球選手権静岡大会4回戦 藤枝明誠7―0清水東=七回コールド)

 五回表1死一、三塁。藤枝明誠のスクイズは、清水東のエース疋田岳土(たけと)投手(3年)の前に転がった。

 吉添泰智捕手(3年)はアウトにできると思ったが、三塁走者・中川瑛太選手(1年)がタッチをかいくぐって生還し、先制点を許した。

 直前に野手が集まったマウンドで「1点は構わない。ひとつずつアウトをとろう」と確認していた。疋田投手も本塁で封じられると思った。ただし、「一塁に投げる勇気がなかった」とも振り返った。

 息詰まる投手戦の均衡が破れた。「自分で責任を持ってアウトをとりたい」という気持ちで投げ続けたものの、連打を浴びて降板。勢いに乗った藤枝明誠はこの回、一挙に7点をあげた。

 疋田投手は、あこがれだという野球漫画「ドカベン」の人気キャラクター里中智と同じ下手投げ。制球力やテンポの良さを武器に、3回戦までで計264球、すべて完投して勝ち上がった。

 藤枝明誠の打線は四回から鋭い当たりを放ち始めていた。「疲れのせいにはしたくない。味方が好プレーでもりたててくれたのに、粘りきれなかった」

 53年ぶりの8強がかかる試合だった。でも、何よりも、「このチームでもっと長く野球がしたかった」。ベスト8は後輩に託す。「悔しいけれど、自分としてはやりきった。負けはしたが、楽しい野球ができた」(青田秀樹)