陸上女子中距離 久保凛 大阪・東大阪大敬愛3年 日本女子中距離のエースの座を確かなものとする快走だった。今月5日の日本選…
陸上女子中距離 久保凛 大阪・東大阪大敬愛3年
日本女子中距離のエースの座を確かなものとする快走だった。今月5日の日本選手権800メートル決勝。序盤から主導権を握ると残り200メートルでさらに加速し、独走でフィニッシュラインを駆け抜けた。自身の日本記録を0秒41更新する1分59秒52の日本新で2連覇を達成し、「納得できる走りはできた」と汗をぬぐった。
躍進が止まらない。和歌山・潮岬中で本格的に陸上を始め、3年時に全日本中学選手権を制覇。ダイナミックなストライド走法が武器で、高校から取り組んだ体幹トレーニングで上半身のブレが減り、右肩上がりの成長曲線を描いてきた。昨年の日本選手権800メートルで初出場初優勝を飾ると、その約2週間後には19年ぶりの日本新1分59秒93をマークし、日本女子で初めて「2分の壁」を突破。初のシニア日本代表として挑んだ今年5月のアジア選手権では銀メダルを獲得した。
野口雅嗣監督は「負けず嫌いでストイック。より高いレベルを自ら求めて苦しみを越えていける」と評する。サッカー男子日本代表の久保建英(スペイン1部レアル・ソシエダード)のいとことして話題を集めたこともあったが、今や陸上界を担うスターの一人だ。
全国高校総体では800メートルの3連覇と1500メートルの制覇も見据える。「同年代と走るのは楽しい反面、プライドもあるので絶対に負けられない。2冠はもちろん、800メートルの日本記録と1500メートルの高校記録を狙いたい」。高校最後の頂をつかみに行く。(後藤静華)