〈2025年全国高校野球選手権鹿児島大会:神村学園9-0加治木〉(7回コールド)◇21日◇準々決勝◇平和リース球場 攻守…

〈2025年全国高校野球選手権鹿児島大会:神村学園9-0加治木〉(7回コールド)◇21日◇準々決勝◇平和リース球場

 攻守にスキのない野球を展開した神村学園が、コールド勝ちで4強入りを決めた。

 攻撃では1回から6回まで33回あった各打者の打席で、凡打、凡飛球が全くなかった。安打はもちろんOK。四球はきっちり選び、アウトになった打席も、簡単に打ち上げることなく、右方向に低い打球を打つことが徹底されていた。三振さえも、打つべきボールを振っての空振りや、きっちり見極めた結果の見逃しだった。

 「相手の宮路(優聖・3年)君は好投手。ボールの出し入れで打ちとるのがうまい。高めのボールを振らされて打ち上げたりせず、打席で粘って、しっかり右方向へ、打ち返すことを徹底した」と小田大介監督は言う。初回の4番・梶山侑孜(2年)の先制適時打はまさしく追い込まれてから一二塁間を抜いたものだった。2回の追加点は二死から9番・山口源造(2年)が意表を突くセーフティーバントで出塁し、1番・結城柊哉(3年)が右中間を鋭いライナーで抜ける三塁打で得点した。

 6番・西原維吹(3年)の打席にその象徴を見た。4打席無安打だったが、初回の空振り三振は12球投げさせ、6球はファウルで粘っている。第2打席の右飛、第4打席の二ゴロはきっちり右方向に打っている惜しい当たりだった。第3打席は3球ファウルでフルカウントまで粘り、自信を持って見送った高めのボールがストライクと判定されての三振だった。

 「打てる打者は他にもいる。僕の仕事は打てなくてもしっかり球数を投げさせる」という意識で打席に立っていたと振り返る。7回表は二塁手の守備で魅せるプレーがあった。先頭打者が左前打で出塁して無死一塁。次の代打・亀澤維心(3年)の打球は止めたバットにボールが当たってボテボテのゴロが一二塁間に転がった。西原は「走者がスタートを切っていないのが見えた。ランナー二塁より、一塁の方が投手にとっても負担が少ない」と判断し、素早い二塁送球で二塁アウトをとった。併殺は難しく、無難に一塁送球アウトでOK。悪送球やエラーがあれば一気にピンチが広がってしまう中での高度な判断だったが「守備には自信があるので、ミスするイメージはなかった」と言う。「全国制覇」を志すチームの一員の意識の高さを垣間見た。