<2025年全国高等学校野球選手権埼玉大会:西武台8-3春日部共栄(延長10回)>◇21日◇3回戦◇レジスタ大宮球場 昨…
<2025年全国高等学校野球選手権埼玉大会:西武台8-3春日部共栄(延長10回)>◇21日◇3回戦◇レジスタ大宮球場
昨秋準優勝で今大会Dシードの西武台と昨秋ベスト4の春日部共栄、昨秋のベスト4で激突した両校の再戦。前回は9回逆転で西武台が勝利しているが、今回はどうか。
先発は春日部共栄がMAX140km左腕の2年生エース・前田悠太、一方の西武台は旧チームから主戦で投げていた背番号11の左腕・追木渉登(3年)が先発し試合が始まる。
試合は初回から動く。
西武台は1回表、春日部共栄・前田の立ち上がりを攻め、今沢翔太(3年)が中越えの三塁打を放つと続く金光希(3年)のスクイズで1点、さらに主砲・田代寛人(2年)が
「打ったのはインコースのストレート。元々は変化球を狙ってましたが今日は直球が多かったので切り替えました。最初切れるかなって思ってましたがうまくボールが上がってくれてよかった」と、ライトスタンドへソロ本塁打を放ち、幸先良く2点を先行する。
だが、先発・追木もその裏、春日部共栄・広瀬聡大(3年)に先頭打者本塁打を浴びすぐに1点差に。
追木は2回以降もピリッとせず、2回は失策、四球バント内野安打となり、無死満塁のピンチを招く。ここは最小失点で切り抜けるが同点となり、4回先頭に四球を出した所で降板となる。
代わった2番手・左腕の加藤爽翔(3年)も、ピンチを招き内野ゴロで1点を失い一時逆転を許すも、打線は5回表、山本龍斗(3年)、田代の3長短打ですぐに3対3の同点とする。
その後は、西武台・加藤爽翔、春日部共栄の2番手・水脇将大(2年)の粘投により、互いにピンチは招くが無失点で切り抜け、試合は延長タイブレークへ。打順は両校4番から。それだけに得点が読めない展開となるが、まず先攻の西武台は
「元々打たせるよとは言っていたが、全員で話し合って」と、田代に強攻を指示。
「先輩達が信じてくれて任せてくれたので打ってやるっていう気持ちだけで打席に臨みました。ボールの上を擦ってしまったが結果的にそれが良かった」と、田代のセカンドへの速い打球は相手の失策を誘いまず1点、さらに続く内藤も左前打を放ち無死満塁とする。
代わった春日部共栄の3番手、左腕の藤崎に対し、渡邉健太(3年)が中前2点適時打を放つと、一死後、斉藤寿也(3年)が左前打を放ち再度満塁とする。ここで誰もカバーに入っていない本塁への悪送球の間に1点を追加しこの回一挙5点を奪い試合の大勢は決した。
結局、9回のピンチを凌いだエース吉良が10回も春日部共栄の反撃をきっちりと締め、8対3で昨秋に続き春日部共栄に勝利しベスト8進出を決めた。
「昨秋大野くん対策を立てて15奪三振を喰らったので前田くんにはあまり対策を立てずに。その後は藤崎くんで来ると思っていたので、水脇くんへの対応は少し遅れた」(河野監督)とのことだが、打線はこの日も15安打と絶好調。
西武台はこれで夏2年連続のベスト8進出。昨夏は0-8から猛追して同点とし、その後甲子園出場を決めた花咲徳栄を一打サヨナラまで追い込んだが一歩及ばず。
「うちはいつもベスト8の壁が」と、一時期漏らしていた河野監督。ユニフォームも旧ユニフォームに近い形にし、「ベスト8が目的ではない。本気で甲子園を目指して。言葉にしないと叶わないと思っているので。まだまだ甲子園に出られるチームではないかもしれませんが、一戦一戦やっていくと強くなるので」とは、河野監督の力強い言葉。
今大会でブレイクスルーなるか。