(22日、第107回全国高校野球選手権神奈川大会準々決勝、東海大相模5―2日大) 日大の三塁コーチャー立花昌弥(3年)…
(22日、第107回全国高校野球選手権神奈川大会準々決勝、東海大相模5―2日大)
日大の三塁コーチャー立花昌弥(3年)にとって、やりがいのある試合だった。
三回裏、1死一、三塁で一塁走者の鈴東大智(3年)が盗塁。二塁手が捕手の送球を受け損ねた。
「行け!」
立花が声を上げた。三塁走者の佐藤悠偉(3年)が本塁を突く。反撃の1点となった。
「指示に従って、よく走ってくれた。得点につながって、うれしかった」
昨年秋から三塁コーチャーに専念する。試合に出られなくても、チームを支えよう、と気持ちを定めた。
「練習でも大声を出すムードメーカー。試合では的確な走塁を指示してくれる。みんな信頼していました」と主将の渡辺瑛心(3年)は言う。
4点差を追う七回裏、その渡辺が右越えソロ本塁打を放つ。チームが沸き立つなか、立花は冷静に次打者のことを考えていた。
「うれしかったけど、落ち着いて打席に立てるように声をかけなきゃ」
九回裏も最後まで笑顔で仲間を鼓舞し続けた。
「やり切ったと思う。チームに貢献できたし、後悔はありません」(三木一哉)