<全国高校野球選手権大会愛知大会:誉8―2西春>◇21日◇5回戦◇豊橋市民球場 7年前となる、令和最初の愛知大会を制した…
<全国高校野球選手権大会愛知大会:誉8―2西春>◇21日◇5回戦◇豊橋市民球場
7年前となる、令和最初の愛知大会を制した誉。今大会は、ノーシードで1回戦からの挑戦となったが、一つずつ勝ち上がって、4回戦ではシード校の西尾東を下しての5回戦となった。
西春も1回戦から豊田高専、東海樟風、清林館、大同大大同を下して勝利を積みあげてきての進出だ。
愛知大会でベスト16に進出した中で公立校は、今年は安城と西春のみだった。その安城が、先に敗れていたため、西春は、公立の最後の砦としての役割も担いながらベスト8を目指す戦いとなった。
自身、中京大中京で全国制覇時のメンバーでもあった倉見 徳人監督は、「愛知大会は、ここまでの戦いと、再抽選で、その先の戦いは別の景色があると思います。それを、選手たちにも見せてあげたかった」という思いは強かったようだ。それに、今年のメンバーはベンチ入り20人が全員3年生で、「正直、今年のチームに懸けていたというところはありました。それだけに、ベスト16の壁を突破したかった」と言うが、やはり、尾張地区では私学としての力を示している誉の壁は厚かったというところでもあろう。
試合前から、力では、誉が上回っていると思われたが、2点リードされた3回に、二死走者なしから、死球を挟んで3連打で2点を返して同点としたのはいい戦いだった。しかし、結果としては、塁を賑わせたのはこの回のみで、他のイニングは誉の先発・南原 誉蓮投手(3年)と、6回から登板した樋口 澄明投手(3年)に、3人ずつで抑えられてしまっていた。
倉見監督は、「学校としては、夏の大会でのベスト16は、初めてだと思います。ここまで、選手たちはよくやったと思いますし、それだけに、もう一つ上へ行きたかった」と残念がった。そして、「本当は、勝って享栄とやりたかったです」と、中京大中京時代の恩師・大藤敏行監督との対決を望んでいたという思いもあったという。
それでも、6回まで2対2で並んで食い下がっていった戦いは、評価されていいであろう。秋からは、まったく別のチームになるのだろうけれども、また、新たにどんなチームを作ってくるのか、期待を感じさせてくれる雰囲気があった。
誉の矢幡真也監督は、「比較的簡単に2点を獲れて、行けると思ったのですが、3回に二死から2点取られて追いつかれて、夏の大会の恐ろしさは十分に感じさせられました」と振り返っていた。それでも、左サイド気味で変則の梅澤 佑介投手(3年)を打ちあぐねていたが、4巡目となった7回から捉えだして、結果的には突き離しての勝利となった。
これで、7年ぶりのベスト8となった。「ノーエラーでの試合はよかった。選手たちも、落ち着いてプレーしているし、秋からの成長は感じられる。(甲子園出場した)あの時のチームに、雰囲気が似てきていると感じてくれていると、いいのですが…」と、チームとしてのここまで感触は悪くないと感じている様子だった。
誉は、2失点した3回以外は、すべて3者凡退に抑えていた。それだけ南原投手と樋口投手が安定していたと言っていいであろう。