◇国内女子◇明治安田レディスゴルフトーナメント 最終日(20日)◇仙台クラシックGC (宮城)◇6642yd(パー72…
◇国内女子◇明治安田レディスゴルフトーナメント 最終日(20日)◇仙台クラシックGC (宮城)◇6642yd(パー72)◇晴れ(無観客)
開幕前日(16日)のクマ出没で開催が危ぶまれながら、一日遅れで開幕した新規大会は小祝さくらの優勝で幕を下ろした。54ホール短縮競技、4年ぶりとなる無観客での開催。自治体の協力も得て厳戒態勢が敷かれた3日間は、周辺地域を含めクマの出没情報は寄せられず、滞りなく大会は締めくくられた。
今回の騒動を機に動画配信サービス『TikTok』を通じてクマについて調べたという都玲華は「遭遇したら大きい声を出しちゃダメ。じっとしているのがいい、って書いてあったのでキャディさんに『叫ばないでね』って伝えた」という。優勝争いを演じた仲村果乃も「逃げちゃダメと聞いて。それなら向かっていかなアカンのかな。間違いですか?」と場を和ませつつ、万が一に備えて情報を仕入れていた。
クマの目撃が相次いでいる北海道出身の小祝や阿部未悠によると、幼少期からクマに遭遇した時の対処法を学ぶ機会があったそうだ。恵庭市育ちの阿部は「私ではないけど、森の中にある小学校に通っていた子とかは1年生の時に『(遭遇しても慌てないように)覚悟を決めなさい』と教育されるみたいで。騒いじゃダメ、背中向けちゃダメ。クマの目を見ながらゆっくり下がれって。死んだふりは絶対にダメ」と対処法を挙げた。
2021年3月に環境省が改定した『クマ類の出没対応マニュアル』でも、クマ類に遭遇した際にとるべき行動として「急に大声をあげたり、急な動きをするとクマが驚いてどのような行動をするのか分からないため注意しましょう」と呼び掛けている。クマは逃走する対象を追いかける傾向があり、「クマを見ながらゆっくり後退する、または静かに語りかけながら後退するなど落ち着いて距離をとる」などと記されている。
夏本番を迎える8月には北海道で男女ツアー2試合ずつが控える。8月中旬の女子ツアー「NEC軽井沢72ゴルフ」を開催する長野県・軽井沢町もクマへの警戒が根付いた地域で、大会ではクマの匂いや気配を察知する訓練を受けた猟犬『ベアドッグ』を常駐させるなどの対策を講じているそうだ。ゴルフ場の近辺に限らず、東京都でも今年に入ってから八王子市やあきる野市でツキノワグマの目撃情報がある。実際に現場での騒動に立ち会って、クマが身近な脅威であることを改めて思い知る一週間だった。(宮城県富谷市/石井操)