激戦区の神奈川大会もベスト8が出揃った。 東海大相模は秋県決勝、春県決勝と二度もセンバツ優勝・横浜に敗れ、悔しさを味わっ…

激戦区の神奈川大会もベスト8が出揃った。

 東海大相模は秋県決勝、春県決勝と二度もセンバツ優勝・横浜に敗れ、悔しさを味わってきた。夏へ向けて投打で一層成長した東海大相模は、圧巻の試合運びを見せている。

 ここまで4試合はすべてコールド勝ち。横浜の4試合の総得点は36得点に対し、東海大相模は44得点。得点能力は上回っており、2回戦〜4回戦まで5回コールド勝ちしているように、印象としても横浜以上に打線がよくつながり、得点機でしっかりと得点を奪えている。打撃以外だけではなく、常に相手を観察し、先の塁を狙う伝統の走塁姿勢も健在だ。

 また、中村 龍之介外野手、金本 貫太内野手の両スラッガーなど野手1人1人の潜在能力は横浜を上回るものがある。

 東海大相模を率いる原俊介監督はいかにして猛打を引き出しているのか。

選手を支えるメンタルサポートと用意周到な準備

 東海大相模の打者の動きを一塁側、三塁側のカメラマン席から観察すると、非常に良い打撃フォームをしている。

 スイング軌道は最短距離で捉えつつ、手打ちにならず、手元までボールを呼び込んで、腰をしっかりと回旋させて、技術の高さでボールを遠くへ飛ばしているのが分かる。構えを見てもリラックスをしていて、体が硬直しておらず、自分の動きを忠実に再現できるのだ。

原俊介監督は「彼らは最後の大会なので、良い緊張感で振れるようにメンタル的に私たちがアシストをしています。相手の投手のレベルが高くなったり、タイプ的に合わない投手との対戦になれば、思い通りに打つのは難しいですが、そういうふうにならないようにいろんなパターンを想定して準備をさせて臨むようにしています」と言う。

 主砲の中村は「原先生からは技術的なことよりも、メンタル的なアドバイスをよくもらっています。僕自身、楽しいですね」と語る。

 相手チームに対しての研究は徹底的に行う。中村は「ここまで打てているのは分析を担当するメンバーたちのおかげです。いつ、どのコース、どんな球種で攻めるのか。その準備があるので、とてもやりやすく、自分たちが想定した通りのコースに来ているのでうまくできているかなと思います」と分析を担当する控え部員たちに感謝する。

 さらに大会中は、対戦予定の投手たちの投球フォーム、ボールの軌道をイメージしての素振りを繰り返し行い、試合に臨む。そして原監督のメンタルサポートもあり、実力を発揮できているのだ。

 原監督の影響により、メンタルをテーマにした本を購入して、メンタル強化に役立てている部員もいるようだ。

 一部の選手だけではなく、レギュラー全体の打撃陣の能力も高い。中村、金本に加え、トップバッターながら長打力のある岡山 泰生内野手、来年のドラフト候補・安嶋 浬久内野手が上位を打つ。金本は下半身の不調で4回戦までスタメンを外れていたが、5回戦の法政二戦からスタメン復帰し、安打も記録。一塁守備も機敏に動くことができており、問題なさそうだ。金本は「みんな打っていたので、不安はあったが、それでも焦らずに調整ができた」と準々決勝以降から本領発揮が期待される。

 金本が復活したことで、今大会本塁打を打っている柴田 元気内野手(3年)が7番に入り、スキのない打線に仕上がった。打撃好調の左打者・高野 海要外野手(3年)、守備の要・佐藤 惇人捕手(3年)、守備職人・日賀 琉斗内野手(3年)も春よりもミート力が高まっている。

福田復活は打倒・横浜へ向けてのラストピース

投手陣は150キロ右腕・福田 拓翔投手(3年)が春よりも状態を高めている。ここまで4試合では登板1試合で1イニングだけだが、準々決勝以降ではさらに登板機会が増えそうだ。福田の完全復活が打倒・横浜のラストピースとなるだろう。

 春季大会で好投を見せた右腕・萩原優真投手は2試合で無失点の好投。キレの良い速球、変化球をしっかりと投げ分けている。左腕・菅野悠投手(3年)の台頭も著しい。8回コールド勝ちした法政二戦で2失点完投勝利。130キロ前半(最速134キロ)の速球、スライダー、チェンジアップを投げ分け、打者を封じる。

 さらに春季県大会で好投を見せた137キロ左腕・島村 宏斗投手(3年)、追加登録された小寺 開唯投手(1年)も大会初戦で登板。140キロ近い速球を投げ込み、将来のエース候補だ。

 大会前の練習では柴田主将がチームの雰囲気に手応えを感じていた。

「チームとしてうまくまとまらない時期が長くあったんですけど、夏に向けてチームのために行動できている結果が今のグラウンドの雰囲気の良さにも出ています」

 試合を見ていても、打撃だけではなく、守備、走塁においても集中力の高さを感じる。練習の積み重ねが公式戦でも発揮できているのだろう。柴田は打倒・横浜へ向けて思いを語った。

「秋と春では横浜さんに負けて、本当に悔しい思いをしてきました。夏は3度目の正直。ラストチャンスなので本当に勝つという気持ちしかないです」

 22日は春準々決勝で対決した日大高と対決する。横浜との対戦が実現した時、ここまで積み重ねたものを最大限に発揮し、2年連続の夏の甲子園出場を決めることができるか注目だ。