(21日、第107回全国高校野球選手権佐賀大会決勝 佐賀北3―0北陵) 佐賀北の野田錬平選手(3年)はミスを引きずらな…
(21日、第107回全国高校野球選手権佐賀大会決勝 佐賀北3―0北陵)
佐賀北の野田錬平選手(3年)はミスを引きずらなかった。
2点リードの六回1死満塁、3球目にスクイズのサインが出たがファウルにしてしまった。「少しあせった。でも、転がせば何とか1点入る場面、切り替えた」。外角へ逃げていくスライダーに食らいつく。遊撃への当たりは弱かった分、併殺打にならず三塁走者が生還。今大会無失点を続けてきた北陵の加々良慧人投手(3年)からついに1点をもぎ取った。
新チームになり3番で起用される中軸打者はこの大会、満足いく打撃ができなかった。この日も5打数無安打。「貢献できなかったが、簡単に打つのではなく、相手投手に球数を投げさせる、守備を動かすことを心がけ打席に入った」と振り返った。
泥臭く挙げたこの3点目が、大会をほぼ1人で投げてきた稲富理人投手(3年)を楽にした。制球に苦しんでいた投球が、八回以降、目に見えて変わった。
野田選手は「文武両道もあったけど、一番は自分の野球スタイルに合っていた」と佐賀北に入った。堅実な守備と長打よりつないでいく打線、そんなチームに憧れた。
大会前の壮行会で、1枚の写真がお披露目された。生まれたばかりの野田選手が、佐賀北の全国制覇を記念する白球と収まっていた。登録メンバー12人の3年生が生まれた2007年は、出場2回目の佐賀北が甲子園で優勝した年と重なる。縁を感じる保護者会では、当時の「がばい旋風」と呼ばれた快進撃から「旋」という鶴文字を作り、観客席に掲げてきた。
野田選手は「先輩方が作ってきた野球で、自分たちも甲子園にいけるのはうれしい」と笑顔をみせた。「あの夏」生まれの3年生が、聖地に帰る。(森田博志)