(20日、第107回全国高校野球選手権愛知大会4回戦 安城1―0向陽) 「しゃー!」 1点を追う九回1死。左前安打で出…
(20日、第107回全国高校野球選手権愛知大会4回戦 安城1―0向陽)
「しゃー!」
1点を追う九回1死。左前安打で出塁した向陽の4番・川嶋壮太選手(3年)は、一塁上で思いっきり叫んだ。捕手として、先発した左腕の軍司拓海投手(3年)をリードしてきたこの試合。「後ろに託して、同点に追いつく」という気持ちがあふれた。
下級生の頃からエースの軍司投手とは、昨秋からバッテリーを組む。当初は配球についての意見がなかなか合わず、結果もついてこなかった。川嶋選手は軍司投手の良さを引き出そうと、毎試合イニングが終わるたびに会話を重ねてきた。
その日々が実を結び、今大会はここまで2試合、計13回と3分の2で25奪三振、無失点。軍司投手は川嶋選手のサインにほとんど首を振らなくなっていた。
この日は一回に1点を失ったが、「直球を狙われている」と変化球主体に切り替えて追加点を許さず、味方の反撃を待った。
川嶋選手は打ってもここまでの3試合、9打数7安打10打点と絶好調だった。この日は打線が沈黙する中、「自分がチャンスを作る」と2安打。九回には5番の軍司投手と連打で好機を作ったが及ばなかった。
試合後、笑顔の軍司投手と、涙の川嶋選手。2人の表情は対照的だったが、気持ちは同じだった。「バッテリーを組めてよかった」
魚類の生態に興味があり、卒業後は、水産学部で魚の研究をしたいという。野球を続けるかは未定だが、「やっぱり野球は楽しい。勝って、明日(の5回戦)もみんなと集まりたかったな」。(松本敏博)