投打で異次元のハイアベレージをマークしている大谷。その可能性はレジェンドも舌を巻く(C)Getty Images 百戦錬…

投打で異次元のハイアベレージをマークしている大谷。その可能性はレジェンドも舌を巻く(C)Getty Images
百戦錬磨の大投手は、現球界で唯一無二の二刀流を貫く偉才に“思う”ところがある。
大谷翔平(ドジャース)の可能性はいまだ底知れない。現地時間6月16日のパドレス戦で二刀流を再始動させると、ここまで5度の登板で計9イニングというスモールサンプルながら、防御率1.00、WHIP0.78と上々の成績をマーク。打っても打率こそ.274ながら、33本塁打、92得点、OPS.983と一流水準の数字を叩き出している。
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もはや二刀流継続に異論の余地などないように思える。がしかし、野球の酸いも甘いも知るレジェンドは警鐘を鳴らす。声の主となったのは、MLB通算213勝、154セーブを挙げ、殿堂入りも果たした大投手ジョン・スモルツ氏だ。
現役時代にトミー・ジョン手術も経験し、投手として様々な経験を培った。そんな58歳は、米スポーツ専門局『FOX Sports』の番組「First Things First」に出演。司会者から「あなたは『ショウへイ・オオタニが投手に専念すれば球界最高の投手になる』と言っている。彼が打者を続ける以上、投手としての潜在能力は何%失われますか」と問われ、こう切り返してみせた。
「彼には一瞬でも時間を無駄にするような余裕はない。彼は日々多くのエネルギーを投入している。先発投手は中4日の間は、少しは他のことをやれるが、普通は5日目に向けて休養するものだ。登板間にさほどやることがない方が5日おきに成功を納める可能性がかなり上がる」
以前から“投手・大谷”の可能性に惚れ込んできた。だからこそ、通常以上に肉体を酷使する必要がある「二刀流」にスモルツ氏はあえて疑問を投げかける。
「打撃練習をしたり、相手投手のスカウティングレポートを見返したり、打席に立って、自打球を足や膝に受けたり……。打者としてレギュラーとして出場すれば、身体を疲弊させる要素がたくさん出てくる。ショウヘイ・オオタニは異常な選手だ。そして彼が異常な投手であるために、それ(打者であること)がどれだけ弊害になるか。誰も分かっていない。こんなものを我々は二度と見ることはないし、私が今言ったことを見ることも決してないはずだ。だが、(打者もやることで)彼の偉大さの大部分が奪われることになる」
常人離れした活躍を続けるからこその“懸念”――。殿堂入り投手が呼びかけた議論は、大谷でしか起こりえないものだと言えよう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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