(20日、第107回全国高校野球選手権広島大会準々決勝 広島新庄1―3広陵) 「楽しんで投げてこいよ」。試合前、兄にそ…
(20日、第107回全国高校野球選手権広島大会準々決勝 広島新庄1―3広陵)
「楽しんで投げてこいよ」。試合前、兄にそう送り出された。
広島新庄は六回、適時打で2点を奪われ3点差とされると、新田蓮投手(3年)がエースの荒木大虎(たいが)投手(同)に代わり、マウンドに立った。
「荒木の分もしっかりカバーして抑えよう」。続く打者2人を抑え、嫌な流れを断ち切った。
二つ上の兄に憧れ、兄がエースを務めた広島新庄に入った。2年前の準決勝で広島商に敗れ、涙する兄を見て「自分の代は絶対に甲子園に行く」と決意した。
この日、残る2回を三者凡退としたが、3連覇を狙う広陵に追いつけなかった。新田投手は投球内容を「100点満点です」と目を腫らしながらも笑顔で振り返り、「今まで投げた中で一番楽しかった。ここまでやってきてよかったです」と言った。(遠藤花)