(20日、第107回全国高校野球選手権福井大会2回戦 坂井9―2敦賀) 敦賀のエース清水風門(かざと)投手(3年)は一回…

(20日、第107回全国高校野球選手権福井大会2回戦 坂井9―2敦賀)

 敦賀のエース清水風門(かざと)投手(3年)は一回の立ち上がりに制球を乱し、持ち味の直球が安定しない中、甘く入った変化球を坂井打線に狙い打たれて、瞬く間に4点を失った。

 二回から三塁、五回から中堅へと守備位置を変えながら、坂井打線の鋭い打球にしっかりと対応し、「もう一度投げて悔しさを晴らしたい」と思い続けた。

 新チームになって、「明るい性格でチームを引っ張る」と主将に名乗りを上げた。野球部のグラウンドがない厳しい練習環境。工夫を重ね、メンタルトレーニングを取り入れるなどしてきた。吉長珠輝監督も「まとまりのあるチームになった」と手腕を評価する。

 八回、無死一、二塁のピンチ。走者2人がかえればコールド負けの局面で、笑顔で再登板した。犠打で1死二、三塁となった後、一回に安打された2番打者を力のある直球で詰まらせて、捕飛に打ち取る粘りを見せた。しかし、3番打者に二塁打を浴びてしまった。

 3年間を振り返り、「自分のためでなく誰かのために、と頑張ってきた。明日も練習する風景しか思い浮かばない。まだ、終わった気がしない」と話し、「1勝を挙げ、敦賀の人に少しだけ喜んでもらえたかな」と笑顔に戻った。(鎌内勇樹)