(20日、第107回全国高校野球選手権三重大会3回戦 津商6―5いなべ総合) あと1点、届かなかった。九回1死一、二塁…

 (20日、第107回全国高校野球選手権三重大会3回戦 津商6―5いなべ総合)

 あと1点、届かなかった。九回1死一、二塁。最後の打者が併殺に倒れた。試合後、いなべ総合の筒井叶真(とうま)主将(3年)は、しばらくベンチで動けなかった。

 両校合わせて21安打の打撃戦。5点を先行されたいなべ総合は、三回に5長短打を集めてたたみかけ、3点を返した。3点を追う七回には、3長短打で2点を加え、1点差に迫っていた。

 先輩の悲喜を目の当たりにしてきた。1年生の夏、チームは三重大会決勝で逆転勝ち。甲子園の応援スタンドから見た3年生のプレーがまぶしかった。2年生の夏は、まさかの三重大会初戦負け。ベンチで、悲嘆にくれる3年生に声をかけることができなかった。

 新チームの主将となり、「油断は禁物」「一戦必勝」を言い続けてきた。今大会はノーシードながら1、2回戦を大差で勝ち進み、2年ぶりの甲子園が視界に入り始めていた。

 この試合、筒井主将は二回にチーム初安打を放って仲間を鼓舞した。捕手として継投した2投手を励まし、四回以降は流れを相手から引き戻していた。

 「(初戦敗退した昨年の)先輩から教訓を得て、3年生がよくここまでチームを育ててくれた」と尾崎英也監督。筒井主将は「先輩の借りは返せたと思う。でも、もう少し、仲間とここにいたかった」と、ふりしぼる声で話した。(本井宏人)