(20日、第107回全国高校野球選手権兵庫大会4回戦 宝塚2―0舞子) 今日もスコアボードに0を並べた。宝塚のエース安…
(20日、第107回全国高校野球選手権兵庫大会4回戦 宝塚2―0舞子)
今日もスコアボードに0を並べた。宝塚のエース安村煌世投手(3年)は、マウンドで深呼吸をする。3試合連続完封で勝ち上がってきた。ただ、「前の試合は前の試合。目の前の相手だ」と、意識はしていなかった。
ゆったりと足を大きく上げるフォームから、伸びのある直球やスライダー、小さく変化するシュートを内外角に投げ込んだ。
走者を出すと「ギアがあがる」。直球のキレが増し、空振り三振を奪う。表情は崩さない「ポーカーフェース」だ。
小学3年で野球を始めた。ずっと投手だったが、「技術的な指導をあまり受けたことがなかった」と、制球が定まらなかった。
転機は今春、神吉世汰監督と西尾卓真部長が赴任したこと。野球経験のある2人とフォーム改善に取り組んだ。二段モーションを、ゆったり足を高くあげるフォームに。そして内側に踏み込んでいた足を真っすぐ出すようにすると、「制球力が抜群にあがった」。
この日の最大のピンチは両チーム無得点で迎えた延長十回裏。タイブレークで、先頭に安打を許すと無死満塁となった。
「絶対に負けた」。心の中でそう思い、目頭が熱くなった。しかし、マウンドで深呼吸をして時間を取り、頭を整理した。「絶対にゼロで抑える。三振しかない」
自信のある直球と、外角のスライダーで二者連続三振を奪った。次打者には直球で押して左飛に。ポーカーフェースが少し緩んだ。
十一回も無失点で抑え、38イニング連続無失点となった。
「試合を重ねるごとに、マウンドで強気に投げられている」と、自分の成長を感じていた。(原晟也)