(20日、第107回全国高校野球選手権静岡大会3回戦 静岡商10―0浜松湖南) 3点をリードされて迎えた六回。浜松湖南…

 (20日、第107回全国高校野球選手権静岡大会3回戦 静岡商10―0浜松湖南)

 3点をリードされて迎えた六回。浜松湖南のエース左腕、佐原翔斗投手(3年)は冷静だった。「1年前の自分とは違う」。序盤はあえて使っていなかったという縦に落ちる変化球を決め球に、静岡商打線を三者凡退に打ち取り、逆転に望みをつないだ。

 佐原投手と大石優太捕手(3年)は昨夏も2年生ながらスタメンを任された。しかし、公式戦の雰囲気に圧倒されて制球が安定せず、3失点で初戦敗退。先輩たちの夏を終わらせてしまった。

 「もう同じ思いをしたくない」。悔しさをバネに練習に打ち込み、1年で球の威力も制球も大きく成長した。何より、自信がついて大舞台でも気おくれしなくなった。鈴木将矢監督も「大人のピッチングができるようになった」と信頼を寄せる。

 佐原投手の長所であるキレのある変化球を生かすため、大石捕手もテンポの良いリードを心がけた。そして臨んだ最後の夏。初戦の下田戦を6―2で下し、昨夏の雪辱を果たした。

 今夏の目標はベスト16以上。静岡商は強豪だが、「油断を突いて一矢報いよう」とチーム内で話し、佐原投手も攻めの気持ちでマウンドに上がった。しかし、ひじの痛みから七回終了後に降板。後続も打たれ、チームはコールド負けを喫した。

 それでも試合後、佐原投手の表情は暗くはなかった。「自分は去年の負けがあったから成長できたし、チームも公式戦で1勝できた。後輩たちにも、この悔しさを受け止めて、次の目標を達成してほしい」(滝沢貴大)