(20日、第107回全国高校野球選手権神奈川大会5回戦、横浜4―0藤嶺藤沢) 決して大差がついているわけではない。それで…
(20日、第107回全国高校野球選手権神奈川大会5回戦、横浜4―0藤嶺藤沢)
決して大差がついているわけではない。それでも、2年連続16強の実力校に対し、選抜王者の横浜が崩れる気配はなかった。
最速152キロの2年生右腕・織田翔希による12奪三振完封。許した安打は、わずか1本だった。
敗れた藤嶺藤沢の菊地幹監督は、横浜の守備のレベルの高さを感じたという。
「あの子たち(横浜の選手)でなければ内野安打になっていた当たりが、ことごとくアウトになった。ああいったところでミスが出ていれば、もうちょっと違う展開になったのですが……」
0―0の二回、横浜の二塁手・奥村凌大が躍動した。1死走者なし。右前安打になろうかという一、二塁間へのゴロをグラブの先でつかむ。回転しながら一塁へ送球し、アウトにした。次打者にこの日唯一の安打で二塁へ進まれたが、今度は二遊間に転がったぼてぼてのゴロをランニングスローで処理した。
この直後の攻撃で先取点が生まれた。
守備陣のリーダー的役割も担う奥村凌は言う。「織田は三振やフライアウトが多いんですけど、その分、気持ちを緩めない。内野手4人で一つの壁を作る感じで、いつ打球が来ても良いように準備している」
六回2死走者なしでは中堅前方へのライナーを阿部葉太がダイビングキャッチ。遊撃手の池田聖摩(しょうま)は強肩を生かし、球際での強さを発揮していた。相手のチャンスの芽を、ことごとく事前につんでいた。
無失策の頼もしい守備陣をバックに、今大会初先発の織田は尻上がりに調子を上げた。八回から九回にかけては圧巻の5者連続三振だ。
織田は「日本一の野手に守ってもらっている。安心して投げられた」と感謝した。
チームとしては4試合連続無失点で8強進出を決めた。
横浜は新チームが発足した昨秋から今春の関東大会準々決勝にかけて、公式戦を27連勝している。この日のような「守備からリズムを作る」という試合運びが鉄則だった。
スコアブックに残らない好守備の数々に、甲子園春夏連覇を狙う伝統校の強さが詰まっている。=横浜スタジアム(大宮慎次朗)