(19日、第107回全国高校野球選手権千葉大会3回戦 市船橋10―2千葉明徳=8回コールド) 四回表2死満塁、千葉明徳の…

(19日、第107回全国高校野球選手権千葉大会3回戦 市船橋10―2千葉明徳=8回コールド)

 四回表2死満塁、千葉明徳の一塁手、星野佳祐(3年)はライナー性の鋭い打球を捕球し、攻撃の波をとめた。「やってやった。でもここで満足しちゃいけない。家族のために勝つ」

 母の和美さん(51)が昨年12月、脳梗塞(こうそく)で倒れて入院。回復した矢先の今年5月、今度は心室細動で再び倒れ、4日ほど意識不明の状態が続いた。何とか持ち直して現在は8月の退院に向け、リハビリに励んでいる。

 和美さんは大会が始まると病室で中継を見守り、生きる力をもらった。この日は昨夏準優勝の強豪が相手で、息子の最後の夏になるかもしれない。「見届けないと死んでも死にきれない」。病院から外出許可をもらい、球場まで応援に駆けつけた。

 「毎日LINEをくれて心配してくれる。人一倍負けず嫌いで最後まで諦めずに一生懸命やる子です」。息子が好守備を見せると「小学校の時から守備中心にやってきた。感動しました」と涙をぬぐった。

 星野もスタンドの母の存在を感じながら戦った。「誰よりもそばで支えてくれた。最後まで楽しんで自分らしい野球を見せられた」と語った。=県SC(芹沢みなほ)