「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

椎野新 しいの・あらた
村上桜ケ丘→国士舘大
投手・右投右打・195センチ88キロ・1995年11月2日生(21歳)

 

 村上桜ケ丘時代は新発田農を3度甲子園に導いた松田忍監督の指導を受け、3年春に51三振を奪い県優勝、夏は甲子園まであと一歩と迫る県準優勝に導いた。長身から威力ある球を投げ下ろす姿に「越後のダルビッシュ」という異名がついた。

 ただ、当時はまだ全体的に粗削りで、当時国士舘大で指揮を執っていた永田昌弘監督(現国士舘高監督)は「楽しみな選手が獲れた。でも2年間は“放牧”かな」と体づくりから入ることを示唆していた。
 それでもチーム事情により1年秋から登板機会を得ると、2勝をマーク。その後はチームの低迷とともに勝ち星を多く積み重ねることはできなかったが、昨秋には2部優勝決定プレーオフも含め4勝をマークし優勝に貢献した。

 2部リーグとはいえ熾烈な接戦が多く、プロ・社会人で活躍する選手も多く輩出するだけに、早くから高いレベルに身を置いたことは大きく成長に繋がった。

「大学ではインコースも攻められなければ通用しない」と悟り、コントロールを磨いてきた。積極的にインコースを使って相手打者を攻め、落差のあるフォークやタイミングをズラすスライダーも有効に決めるなど、経験豊富がゆえのマウンドさばきを見せるようになっていった。
 フォームについて某球団の投手出身のスカウトは「腰の開きが遅いので球持ちが良く、相手打者は差し込まれています。大柄ではありますが、フォームに無駄なロスがなくて力の出し方が良いので制球力もありますね」と高く評価。軸足が早く折れてしまい、体重移動がスムーズにできていない課題も指摘していたが、「その分伸びシロがあるということ」と更なる成長に期待をかけていた。

 今秋は開幕から調子が上がらず2週続けてサヨナラ負けを喫するなど、主に救援での起用ながら0勝4敗と結果を残すことはできなかった。大柄な投手にありがちな制球や守備での難点はほとんどないが、下半身の強化などをしてコンスタントに成績を残せるようになっていきたい。

 本来持つ恵まれた素質が花開き、確実性が増してくればNPBでの活躍も夢ではない。

文・写真=高木遊