(19日、サッカーJ1 FC東京3―2浦和レッズ) 国内では約7週間ぶりの公式戦で浦和レッズは下位に沈む相手と点を取り合…

(19日、サッカーJ1 FC東京3―2浦和レッズ)

 国内では約7週間ぶりの公式戦で浦和レッズは下位に沈む相手と点を取り合った末に逆転負け。敵地でゴール裏を赤く染めたサポーターから大ブーイングが起きた。主将のMF関根貴大は「もう当たり前の、当然の反応」とうなだれた。

 無理もない。先月に米国であったクラブワールドカップ(W杯)で3連敗。世界と戦い、教訓を得たはずだった。それが生かされているようには映らなかった。

 最たるものは球を持つ相手へ寄せる際の鋭さ、速さ、力強さ。クロスやその前の場面も含め、寄せの甘さから2失点を喫した。

 選手交代で流れを変えられず、むしろ勢いを失う点も相変わらず。後半は時間を追うごとに押し込まれ、最後はCKのこぼれ球から決勝点を奪われた。

 クラブW杯で浮き彫りになった課題を、スコルジャ監督は毎日のように話していると明かす。「球を奪われた直後に、いかに早く守備組織を整え直すか」「攻守の切り替えも、対戦相手は我々よりも早かった」

 Jリーグに戻っても、こうした点で後手に回ったとスコルジャ監督も認めた。選手個々をみても、教訓を生かしたのはミドルシュートで今季初ゴールを挙げたMF安居海渡くらい。モンテレイ(メキシコ)戦で鮮やかなミドルシュートを次々に決められ、「目の前でやられて、シュートへの意識を強く持つようになった結果」という。

 試合後のスタンドに掲げられた横断幕にこうあった。「目標も準備も検証も、あいまいなクラブW杯」。そんなメッセージに、どれだけ向き合えるか。(藤木健)