(19日、第107回全国高校野球選手権鳥取大会2回戦 鳥取城北5―0八頭) ベンチ前で鳥取城北の校歌を聞きながら、八頭の…
(19日、第107回全国高校野球選手権鳥取大会2回戦 鳥取城北5―0八頭)
ベンチ前で鳥取城北の校歌を聞きながら、八頭の寺口芽生跳(めいと)主将(3年)は何度も目をぬぐった。
相手は強豪で知られる昨夏の覇者。エース小田唯斗投手(3年)の粘投を捕手として懸命にリードし、前半は「守りでリズムをつくるうちの野球」を実践できた。
だが、お互い無得点で迎えた六回裏。相手の4番打者に2点本塁打を浴び、流れを持っていかれた。攻めても、昨夏の甲子園のマウンドを踏んでいる相手エースを攻略できず、チームは12三振を喫した。
寺口主将は、兵庫県豊岡市の中学校から八頭に進んだ。春夏計8回、甲子園にチームを導いた徳永昌平監督の指導に憧れたという。親元を離れての寮生活。戸惑いもあったがチームメートや友人らに支えられた。「甲子園に行って恩返しがしたかった」
試合後、声援を送った応援団や保護者らに、声を震わせながらあいさつした。「このメンバーでもう野球ができないことが一番悔しい」。そして、夢は後輩たちに託した。「次の代は勝ち上がってくれる。引き続き八頭高野球部の応援をよろしくお願いします」(奥平真也)