(第107回全国高校野球選手権高知大会2回戦 梼原1―10高知商=8回コールド) シード校として臨んだ梼原の今年の夏は、…

(第107回全国高校野球選手権高知大会2回戦 梼原1―10高知商=8回コールド)

 シード校として臨んだ梼原の今年の夏は、初戦で終わった。

 三回と八回、四死球や失策で高知商にチャンスを与え、連打を浴びて大量失点。エースの田中駈(かける)投手(2年)は「力が入ってしまってフォームが崩れ、球が浮いた。今年のチームのテーマは『冷静』だったのに、冷静さを欠いていた」。

 一塁手は双子の兄、旭選手(2年)。試合中に何度も、弟に「冷静さやぞ!」と声をかけ続けた。「それでも声かけが足りなかったし、自分も冷静じゃなかったのかもしれない」

 2人は、2歳年上の兄で、昨年梼原の主将を務めた暁(さとる)さん(18)の後を追って、高知県室戸市の中学校から梼原に入った。

 実は、一昨年と昨年の夏の高知大会でも梼原は高知商と対戦し、敗退。これで負けは3年連続になった。駈投手は「兄貴も思い入れのある相手だったし、勝ちたかった」と肩を落とした。明日からは振り出しに戻ったつもりで練習に打ち込む覚悟だ。

 旭選手は「2年の自分たちにはまだ時間がある。お世話になった3年の先輩たちの分もしっかり背負って、頑張りたい」と前を向いた。

 この日は、地域ぐるみでグラウンドや寮の整備などを支援する梼原町から、大勢の人が駆けつけた。福島司主将(3年)は「2年生は人数が多いし能力が高い選手も多い。応援してくれる地元の人や家族への感謝を忘れずに頑張って欲しい」と後輩にメッセージを残した。(原篤司)