（19日、第107回全国高校野球選手権宮崎大会3回戦 延岡学園3―2小林秀峰） 「背番号1」が延岡学園（第6シード）の…
（19日、第107回全国高校野球選手権宮崎大会3回戦 延岡学園3―2小林秀峰）
「背番号1」が延岡学園（第6シード）の上位打線の猛攻を受け、小林秀峰の原田光嬉投手（3年）がマウンドに上がったのは、一回1死で2点目をとられた直後だった。
継投はいつものこと。「いつでも出られるよう」準備はしていたし、特にこの日は直球の伸びに手応えを感じていた。
一回は延岡学園の5番、6番打者から連続三振を奪い、ベンチへ駆けてマウンドを降りた本田留唯投手（3年）の背中をポンとたたいた。「絶対、自分が抑えるから」
二回も無失点。同点に追いついた直後の三回裏は、1死満塁のピンチを併殺で切り抜け、ベンチに向かって雄たけびを上げた。「流れをもってきたかったから」
本田投手とは、冬場の走り込みや筋力トレーニングに耐え、今夏の大会をめざしてきた仲。この日とは反対に、助けられたことだって、「これまでたくさんあった」。
原田投手の後にマウンドに上がった田口孔盟投手（3年）も、闘志を前面に出した投球で九回まで無失点。試合はタイブレークの末に惜敗したが、原田投手には「やりきった実感」が宿った。
本田、田口の両投手には試合後、「一緒にトレーニングしてくれてありがとう」と伝えた。涙があふれてきたのは、試合後の「ラストミーティング」が始まってからだった。（奥正光）
