ブンデスリーガで戦う日本人選手の中で、最も安定的に出場しているプレーヤーといえば、結局のところ長谷部誠(フランクフ…
ブンデスリーガで戦う日本人選手の中で、最も安定的に出場しているプレーヤーといえば、結局のところ長谷部誠(フランクフルト)ということになる。今季もここまでの9試合中、7試合にフル出場している。
ドイツでのキャリアが長いためか、守備的なポジションのせいか、派手な活躍が報じられることはないが、チームにとってなくてはならない存在であり続けている。現在のチームの指揮をとるニコ・コバチ監督のもとでも、もっとも信頼を勝ち得ている選手のひとりであることは間違いない。
第9節ドルトムント戦も、もちろんフル出場。0-2とリードされながら、最後は2-2で試合を終えた。首位を走るドルトムントを相手に及第点の結果と言っていい。記者会見に臨むコバチ監督は満面の笑顔。ドルトムントのペーター・ボス監督の表情は硬く、同じ勝ち点1でも大違いだ。

マキシミリアン・フィリップにシュートを許す長谷部誠(フランクフルト)
長谷部は3バックの中央、いわゆるリベロのポジションに入り、味方に指示を与え、身体を張って相手のチャンスを潰し、誰よりも冷静なプレーを見せた。だが、本人としては反省が残る試合でもあった。
「0-2からから追いついたというのは、チームとしては評価できると思いますけど、個人的には1失点目も自分のミスでしたし、2失点目も、おそらくシュートを打った選手にもう少しいい対応ができたと思うので、個人的にはやられてしまったかなというのはあります。チームとしては狙い通りのゲームをして多くのチャンスを作っていましたから、決める、というところが少し課題かなと思います」
確かにドルトムントの1点目、19分のヌリ・サヒンの得点は、長谷部がマークにつき切らなかったことが直接の原因だろう。マルク・バルトラが右からゴール前に入れたボールに対して、長谷部はサヒンの前に入っていたにもかかわらず、シュートを許してしまっている。また57分の2失点目は、ドリブルで運ぶマキシミリアン・フィリップに対して距離を詰め切ることができず、中途半端な対応となった。
「失点のところは個人的な僕のミスもありますし、後半に関しては少しリスクを負っていったぶん、相手にチャンスも作られました。難しいゲームではありましたけど、こういう試合を勝ち切れるか勝ち切れないかで、自分たちが上にいけるかいけないか、というのは変わってくるんじゃないかと思います」
リベロという自分のポジションでのプレーについても、コバチ監督の信頼とは別に、長谷部自身は満足していないようだ。「最近のテーマは?」と聞かれた長谷部は、こう答えている。
「”落ち着かないこと”ですかね。やはり中盤よりもリベロというポジションでより多く出ている。あそこのポジションは、どちらかというと、いわゆる”目でプレー”できたりする部分もあるので、そういう部分に落ち着かずに、とにかくより自分のプレーをよくしたい。今日なんかでも、もっとボールに触って自分で組み立てて、という部分(が足りない)。今日だけじゃなくて、ここ最近うまくやれていないので、そこをもう少し求めてやっていきたいと思います」
守備陣のコントロール役として守りに専念するだけではなく、より攻撃にもコミットしていきたいということだろう。このあたりの冷静で的確な現状認識が、長谷部の安定感につながっているのに違いない。
一方、ドルトムントの香川真司は58分からの出場だった。チームは結果的にその後、2点を奪われ追いつかれている。
香川は4日前のチャンピオンズリーグ、アウェーでのアポエル(キプロス)戦で今季初のフル出場を果たしていたが、フランクフルト戦の途中出場は拍子抜けだったようだ。
「別に1試合やっただけでお休みをもらう必要はないし、なかなか整理は難しいです。そこは監督が決めることですけど、個人的にはやはり試合に出続けて、もっとやれることを証明したいと思っています」
この日はスタメンでない理由を含めて、試合の前日にボス監督と直接、話し合ったとも明かす。
「与えられた中で結果を残していくだけですし、その中でも(結果を)残しているという自信は得られている。ただ、それに対して監督がどう判断するか、いろいろ思うところはありますけど、しっかりとさらにアピールしていく必要があると思います。
得点を取れる匂いを含めて、(手応えは)感じている。ただ、それを取り切れるか、取り切れないかというのはだいぶ大きいですし、こういう新しいチームの中でそういうところから存在意義を示していくことが大事だと思う。中盤も含めて選手層が厚いぶん、ひとりひとりがそういう意識を持っているのが当然だと思うし、あとは数字が物語ると思います」
長谷部とは違い、香川の場合はまだ出場機会を得ながらアピールしていくことが必要という段階にある。