◇メジャー最終戦◇全英オープン 2日目(18日)◇ロイヤルポートラッシュGC(北アイルランド)◇7381yd(パー71…

「64」で首位浮上のスコッティ・シェフラー(Christian Petersen/Getty Images)

◇メジャー最終戦◇全英オープン 2日目(18日)◇ロイヤルポートラッシュGC(北アイルランド)◇7381yd(パー71)

海からの突風も、滝のような豪雨も、この男には関係がないのか。メジャー最終戦の週末を前に、世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーが首位に立った。1ラウンド5時間半かかる難コンディションで、淡々とバーディを重ねた。8バーディ、1ボギーの「64」は、貫録を見せつけるこの日のベストスコアだった。

1打差を追って午後3時10分にティオフ。目まぐるしく天候が変わるリンクスで、断続的に土砂降りの雨に打たれながらプレーした。「ドライビングレンジでは半袖でも暑いくらいだったのに…。『これ、どのくらい続くんだろう?』って感じたよ」と中断のホーンを予感したほどだった。

どれだけ過酷な状況でも、冷静に対処するのがいかにも絶対王者らしい。晴れ間がのぞいていた1番でバーディ発進すると、5番から3連続。折り返して10番、13番(パー3)も伸ばし、16番(パー3)から2連続。「幸いにも、本格的に降ったのは4~5ホールだけ。天気の良いタイミングを、うまく生かせた」。メジャーの難セッティングでまんべんなく、しかも狙ったホールを確実に仕留めていった。

クリスマスのハプニングでけがを負い、始動が遅れた今シーズン。開幕5戦目の「AT&Tペブルビーチプロアマ」で戦線復帰し、本大会までに5月のメジャー「全米プロ」を含む3勝を挙げている。あっという間に年間ポイントレースの首位に躍り出て、4月にはタイガー・ウッズ以来の100週連続世界ランキング1位の快挙を達成した。

今年の「マスターズ」でロリー・マキロイ(北アイルランド)が成し遂げた、史上6人目のキャリアグランドスラムへ。「マスターズ」(2022、24年)、「全米プロ」(25年)に次ぐ3つ目の冠が完全に視野に入った。

当地開催だった2019年大会、6打差で優勝したシェーン・ローリー(アイルランド)のスコアは通算15アンダー。シェフラーは予選2日間で10アンダー。無敵の世界1位が週末を前に無双の態勢を整えた。(北アイルランド・ポートラッシュ/合田拓斗)