<2025年全国高校野球選手権東東京都大会:安田学園11-1共栄学園(6回コールド)>◇18日◇4回戦◇明治神宮球場 大…

<2025年全国高校野球選手権東東京都大会:安田学園11-1共栄学園(6回コールド)>◇18日◇4回戦◇明治神宮球場

 大型打者としても注目される安田学園の主将の増田 光太朗内野手(3年)は、「この代は、安田学園史上で一番弱いと言われていました」と語る。秋は2回戦で共栄学園に2-6(延長10回タイブレーク)で敗れ、春も2回戦で文京に3-6で敗れ、夏のシード校にはなれなかった。

 そこから猛練習をしてきた。バットを振り込み、地道に逆方向に打つ練習なども繰り返した。「選手は素直で、一生懸命取り組んでくれました」と、安田学園の會田 勇気監督は語る。そして夏の大会の組み合わせが決まり、勝ち進めば4回戦で共栄学園と対戦する可能性が出てきた。「秋に負けた悔しさがありました。リベンジするチャンスを与えてもらいました」と會田監督は言う。

 共栄学園は、2年前の夏に甲子園に行った時、1年生ながらただ1人ベンチ入りした首藤 健介投手(3年)が絶対的なエースとなっている。

 試合は2回裏、その首藤が右前適時打を放ち、共栄学園が1点を先制する。安田学園は走者を出しながら得点できないでいたが、4回表、3番・長澤 洋輔捕手(3年)の二塁打に6番・永井 陽内野手(3年)の右前適時打で同点に追いつく。さらに四球と死球の走者も加え一死満塁から、安田学園の先発投手でもある8番の高比良 共佑(3年)の左犠飛で逆転する。

 この段階ではまだ勝負の行方は分からなかったが、クーリングタイムが終わった6回表、思わぬ展開をみせる。一死後、6番・永井が右前安打で放つと、ここから四死球が続き満塁となる。「ランナーを出して、焦ってしまいました。自分の弱さが出て、悔しいです」と、共栄学園のエースの首藤は言う。

 ここで首藤は降板。春季大会では主戦投手となっていた竹内 彩翔(2年)が登板する。

 代わったばかりの竹内に対し、安田学園は9番・鈴木 雄大内野手(2年)の二塁打で2点、1番・佐原 丈慈内野手(1年)も二塁打で続きさらに2点。3番・長澤の右前安打でさらに1点を追加する。打席にはこの試合3打席凡退の4番・増田が入る。5回表は増田の投ゴロで攻撃が終わっていた。「本当に悔しかった。クーリングタイムの時に、回してくれと言っていたのですよ。本当に打順が回ってきて良かったです」と増田は言う。増田は3打席凡退の悔しさを晴らすような思い切りのよい振りで、ライトへの三塁打を放ち、さらに2点を追加した。勢いに乗った安田学園はこの回一気に9点を入れて試合を決めた。

 安田学園は、これまで積み上げてきた練習の成果を示す貴重な勝利になった。その一方で力の差はそれほどないはずの共栄学園がコールドで大敗する。「夏の大会の怖さでもあると思います」と安田学園の會田監督は言う。

 安田学園は成長した姿をみせ、秋に敗れた相手にリベンジという一つの目標は果たした。ここから一戦一戦戦いながらどこまで成長できるかが、今後の躍進のカギになる。

 なお共栄学園が敗れたことでシード校7校のうち、残るのは帝京と江戸川だけになった。混戦の東東京大会で、安田学園が存在感をみせつつある。