レギュラー獲りへ澤井廉は努力を続ける(C)産経新聞社 ヤクルトの大砲候補がレギュラー獲りへ必死だ。メジャー移籍を目指して…

レギュラー獲りへ澤井廉は努力を続ける(C)産経新聞社

 ヤクルトの大砲候補がレギュラー獲りへ必死だ。メジャー移籍を目指している村上宗隆の後継者として、3年目・澤井廉にかかる期待は大きい。

 7月17日、神宮球場で行われた巨人戦で「6番・右翼」でスタメン出場し、8回の第4打席で右前打を放ち、チームの勝ち越し点につなげた。

【動画】ヤクルト期待の大砲候補が一発!澤井廉が右翼席へ豪快なアーチ

 カウント1ボールから巨人の大勢が投じた2球目の直球を振り抜くと、鋭い打球を右翼へ運んだ。試合後「やっと最後、割り切って、自分のスイングで勝負にいけた」と振り返った25歳はこの日、1打席目と2打席目の2三振を悔やんでいた。

 2回は無死一塁の場面で空振り三振、4回は一死一塁で外角低めの直球で見逃し三振に仕留められ、「今日はしょうもないスタートで2三振から始まってしまった。次は1打席、1球というのをもっともっと大切にして、受け身にならず勝負を仕掛けられるようにしたい」と、意気込みを語った。

 同じポジションの外野にはライバルが多い。この試合、岩田幸宏も2安打、内山壮真も3安打と結果を残した。4年目の丸山和郁もケガから復帰し、チャンスを多くもらえるとは限らない。

 1年目にイースタン・リーグで18本塁打を放ち、本塁打王に輝いた。一発長打が魅力だが、レギュラーをつかみ1軍で活躍するためには、さらに高い“領域”に挑む必要があった。

 澤井は、スイングの際に力んでしまわないように「しっかりハードコンタクトするという意識を強く持っている」と、自身の打撃の取り組みについて話してくれた。

 「安打数とか打率はもちろん求めるのは大前提なんですけど、その中でハードコンタクトしていくことができれば、角度によって長打もヒットも出やすい。僕はそれを身につけられていない。それを追い求めていかないといけない」

 自身の課題と向き合い、打撃の改善に努めている。「真っすぐを狙って、逆にフォークがきたら三振では打率も残っていかない。チームに貢献できることが少ないと思った」と、練習では「インサイドアウトは常に取り組んでいる」と話し、バットを体の内側から外側へ出すスイング軌道を意識し、速球だけでなく変化球にもうまく対応できるように努力を続ける。

 「チームに貢献してレギュラーを獲ることを目指していく上では、打率や打点も必要になってくるので、その面ではコンタクト率(が重要)。ハードコンタクトした結果、ホームランを打つというのを目指しています」

 今季はここまで19試合で打率.173、1本塁打、1打点の成績で、本塁打と打点は6月5日の西武戦(ベルーナD)で今季1号ソロを放ったときの記録だ。レギュラーを奪うためにはもっとアピールする必要がある。
 
 追い求めるその先に、スワローズの“真の大砲”としての姿があるはずだ。

[文:別府勉]

【関連記事】【ヤクルト】土壇場での“劇弾”生んだ26歳捕手の積極性 コーチが期待する「スイングを仕掛ける準備」

【関連記事】燕22歳が交流戦で「長打力」を発揮できた訳 「レギュラーを獲れるように」チームの“希望”を託された苦労人の決意

【関連記事】「バッターたちが怖いよ」DeNA合流が現実味、藤浪晋太郎の日本球界復帰の"注意点"は? 球界OBの考察「武器だと思えるようになれば…」