大谷の規格外の活躍の裏には、異次元の寝る力があるようだ(C)Getty Images 前例のないキャリアを歩む偉才の挑戦…

大谷の規格外の活躍の裏には、異次元の寝る力があるようだ(C)Getty Images

 前例のないキャリアを歩む偉才の挑戦は、名うての指導者たちも驚かせる。

 メジャーリーグの大舞台でも「投打二刀流」を確立させた大谷翔平の活躍は、文字通り異次元だと言えよう。ドジャースと10年総額7億ドル(約1015億円=当時のレート)の超巨額契約を締結した昨季には、ドジャースの大谷翔平は、ナ・リーグMVPを受賞しただけでなく、MLB史上初めて「50本塁打&50盗塁」も達成。そして、今季は投手として復活を果たし、ふたたび二刀流を本格化させようとしている。

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 そんな異端な日本人を「凄まじい存在だ」と評するのは、かつてエンゼルスで指揮を執ったフィル・ネビン監督だ。

 現地時間7月17日に米ポッドキャスト番組「Diggin’ Deep Shows」に出演した熱血漢が、まず打ち明けたのは、大谷の勝利に対する飽くなき姿勢だ。「私がショウヘイといた2年間は、とにかく彼が本気で勝ちたがっているとひしひしと感じていた」と告白したネビン氏は、FAイヤーとなった23年に大谷が苛立つ場面が多かったとし、その理由を明かしている。

「彼は心底勝ちたがっていたんだ。とくに最後の1年はね。彼が苛立っていたのは、チームの誰かが怪我をしたとか、ミスをしたからとかではなく、自分自身が思うようにいかないからだった。彼にとって『自分が頂点に到達できない』という事実が辛かったんだと思う。最終的にはショウヘイもピッチャーとして怪我をしてしまったからね」

 そんな舞台裏で葛藤する姿を見ていたからこそ、ドジャース移籍1年目でワールドシリーズ王者になった大谷を目の当たりにし、ネビン氏も「私の心も揺れた。本当に心の底から嬉しかった」という。

 そんな熱き指導者は、二刀流戦士の意識の高さを物語るエピソードも語る。

 それは午前11時に開始される敵地でのレッドソックスに大谷の登板日が重なった時のことだった。ネビン氏は本人が受ける移動の負担も考慮し、「この日は朝11時(10分)の試合だから1日ずらしてニューヨークの試合で投げるようにもできる」と提案。すると、返す刀で大谷は「いや、そのまま登板するよ。19時に寝て、5時に起きればいい。そうしたらいつものルーティンを全部できる」と力説したという。

「私は咄嗟に通訳の方を見て、『なぁ、彼は本当に19時に寝ると言ったのか?』と聞いたよ。私だって19時に寝たい夜はある。でも、どうやって19時に寝られるんだ? だから『なんか飲んでるに違いない』って思ったね。

 でも、実際のところ、彼はただ目を閉じて、アイマスクを着けて、指定の時間まで寝るだけ。何かで目が覚めて、睡眠時間を計測する機械か何かが『まだ寝足りない』と言ったら、すぐにまた寝るだけなんだ。ベッドに入ってから寝るまでの間、全部で30分もかからないらしい」

 大谷の持つ“睡眠力”を明かしたネビン氏は、「ショウヘイは朝起きてから夜に寝るまでの全ての行動が世界最高の選手になるためのものだ。そこに抜かりはないし、アーロン・ジャッジとも共通していると思う」と強調。改めて愛弟子のプロフェッショナルな姿勢を称えた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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